2006年02月25日

それぞれのデザイン 〜ベンチでトーク〜

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23日、大阪市中央公会堂・大ホールで行われたJCD(日本商環境設計家協会)と大光電機且蜊テによるシンポジウム、「それぞれのデザイン 〜ベンチでトーク〜」に参加してきました。
東京と大阪の2箇所で行われた大阪編。パネリストは、 デザインジャーナリストの山本雅也氏、乃村工藝社のデザイナーでおられる小坂 竜氏、新進気鋭デザイナーの佐藤オオキ氏、そしてゲストパネリストに建築家の関 聡志氏という方々を集め、まとめ役のコーディネーターにデザイナーの間宮吉彦氏を据えてのディスカッションでした。東京では、山本雅也氏以外は別の方々によるものだったそうです。

この企画でまずおもしろいと思ったのは、コーディネーターをデザインジャーナリストの山本氏がなさりそうなところを、間宮氏がなさったところ。“ベンチでトーク”という、バスストップのベンチでバスを待っている間の会話のような、そんな気軽さで語っていただこうというもので、また、山本氏が昨年出された著書「インハウスデザイナーは蔑称か」の内容にも関連させられる部分を引き出せるメンバーの方々であったことから、普段とは違った趣向で行われたようです。気軽といっても集まった方々が方々ですから、もちろん内容は濃いものでしたが、この趣向、楽しめるものだったと思います。

間宮氏と山本氏というと、昨年の大阪デザイナーズウィークのフォーラムの時、お二人も揃っておられ、その時にお聞きできたお話も思い出される内容もありました。
山本氏が語っておられたことで、阪神タイガース優勝の時、道頓堀を囲った塀がもっとデザインされて、堀が汚いし危ないから飛び込んではいけませんではなく、きれいだから、それを壊すように飛び込んだりができないとなればいいのに・・・というお話がありましたが、これは昨年のフォーラムでもおっしゃられていて印象に残っていました。一般に広く、大阪で“デザイン”への理解を深めてもらうのに、わかりやすい理解されやすいお話かもしれません。(あちこちでお話されることで本当に間宮氏などに、市や府あるいは周辺企業の共同出資や市民活動から、ちゃんとそれなりの対価でデザイン依頼があったらすごいですね。)

今回のこのディスカッションでは、それぞれの方々の作品についてより、それぞれの立場や経験・背景の中での仕事とデザインに対する姿勢、そういったことが興味深い内容でした。デザイナーとしても経営者としても長年の実績を積まれ世に知られた間宮氏、インハウスデザイナーとして長年の経験を経た上で個人としての高い評価も築かれた小坂氏、新しい時代の波を敏感に乗りこなし鋭い感性で短期間に世に出てこられた新進気鋭の若手デザイナーであり経営者の佐藤氏、建築業界の徒弟制度的な師弟関係から高松伸氏の事務所で長年勤められて独立された関 聡志氏、多くのデザイナーへのインタビューなどを通しデザインを綴り語る側で見つめてこられたジャーナリストの山本氏。
それぞれの視点や活動から語られるデザイン観、それぞれに確かに違いはあるのですが、その根底で突き詰められるものは似たものがあるように感じました。実はそう感じること、このシンポジウムにかぎらないのです。
デザインが好きで、デザインにこだわり、デザインと真剣に向き合っている方々がたどり着く答えは、表現は違っても同じようなものがあるように思います。経験が違う分、そこで今見えておられる部分の大きさの違いはあるのでしょうが。

とは言っても、それぞれの方々の間には、隣の芝生ではありませんが傍目から見た人の立場などがうらやましかったりなさる、そんなこともおありのようでした。間宮氏は経営はせずにデザインだけに没頭できる小坂氏がある意味うらやましいとおっしゃられていたり、小坂氏は会社にお勤めになりはじめの頃は施工監理に走り回ったりで間宮氏のような存在の方をうらやましいお気持ちもあったとかや、関氏はその作品と風体が自然体で若くして飄々と時代の波に乗っておられるよう見える佐藤氏がうらやましいとおっしゃられていたり。年代層からは離れた佐藤氏はやはり飄々とそれほど緊張するご様子でもなく(内心はわかりませんが)、でも先輩方々の様々な考えをそういう考え方もあるのか、ふ〜むといったように、例えば作品について残すといった意識についても“まだ、それほど感じていない”といった経験上“まだ”の部分も正直に語っておられたり。そして山本氏はご職業上の立場的にも、それぞれの方々について客観的にご覧になって補足を促す質問などをはさまれたりなさっていました。
大阪で行われているイベントであるのに、東京では大阪より京都が好まれるなんていうお話もありました。関氏が京都で長年お仕事されてこられた中、東京で感じられたことだったようです。これは、東京でお仕事されている小坂氏も、大阪にお仕事で来る機会はなかったけれど京都へはいらしていたりもあって、少々ショックでしたが、いにしえの都へのあこがれは全国的なものなので、大阪の魅力もより知っていただけたらなどとも感じたことでした。せっかくの大阪市中央公会堂という大阪の美しい建築物の中でのイベントでしたので、建築家の方に、そういったことも意識していただけるような情報発信も必要なのかな・・・、とも個人的に思ったりもでした。
本音が見え隠れする、ここが気軽なトークの楽しさと、新しい発見ができる部分かもしれません。

昨今、デザインが一般的には、かっこいいカタチといった表面上のことが強調され、一種の流行に乗って取り上げられるといった社会状況が見受けられます。
でもデザインは、ずっと昔から人々の暮らしの中、培われてきた行為なのです。より人が住まいやすい環境、使いやすいもの、商業活動を活発化させ経済を豊かにするための装置、それらを創り出すための人々の知恵が、“デザイン”です。
そういった部分についても、間宮氏や山本氏によって語られていました。
それぞれの意識や認識は違っても、デザインに真摯に向かっておられる方々の、その活動そのものが、そういったことを物語っているのだとも思います。インハウスデザイナーであれ、独立のデザイナーであれ、“デザイン”で目指し辿り着くことは、創りあげるものを使う人々を幸せにしたりと、同じなのではないでしょうか。
こういったイベントも広く行われることによって、デザインに関わる人々の心にデザインの意味を改めて刻み、さらに一般にも単なる流行ではないデザインへの認識を広め伝えることにもなっていけばと願うものです。

2006年02月21日

使い続けるためのモラル

無響室という部屋がある。
主に、各種メーカーが音に関する測定などを行うための実験室である。
スピーカーの音質評価、プリンターといった事務機器から大型車が出す騒音の調査など、大手メーカーはそういった実験室で調査と実験を繰り返し、良い商品を市場に出すための、表にはなかなか見えてこない努力も積み重ねてきている。それは、莫大な資本も注ぎ込まれてこそ、ようやく成り立つ商品への信頼というものの舞台裏でもある。

デザインとは、本来、見た目の問題だけで捉えられるものではなく、こういった製造工程の中、機能を追求するためにも行われるものでもある。そこには、人々が安全に快適に使い、生活を豊かにし幸せに導くという、そんな役割も含まれてくるように思う。

ものの販売も、ひとつのものが出来上がるまでに関わったであろう様々な人々の想いを、理解してのものでもあってほしい。
メーカーが日本の経済をも支えて今日ある市場は、ひとつひとつの商品の信頼を勝ち得るために行われてきた、目には見えない部分でもかけられてきた手間と資本によるところも、非常に大きいのではないだろうか。今後もその姿勢がおろそかにされることなく続いていくことも、これからの日本経済の発展に欠くことのできない部分でもあるように思う。
そして、安易に、仕入れて売る、ではなく、売る側には売る側の責任もある。
また消費者側にも、大切に、そしてそのものの機能や限度を理解して使うという認識が、ものがあふれる社会の中、今一度必要とされているように思えてならない。

昨今のヤフーなどをはじめとするオークションなどに代表される市場は、ものの価値をその時々の需要と供給の一致という金銭評価から、右から左へ移動していく部分のみが大きくなりがちに思う。
安く仕入れ安く売る、この構造が流通を大きく占めつつあることも否めない。
わたしも安く買いたい消費者ではある。だが、それだけではいけないのだということを、製造されるものの根本を思い浮かべた時、はたと考えてしまう。

電気用品安全法という法律の施行が、リサイクル産業の存続に大きな問題を投げかけている。そして、その施行を反対する動きも続けられている。
古き良き商品を見直すこと、ものを大切にすること、そういった心を養うこともまた、次々に現れては消えるもののあふれる現代社会で、非常に意味のあることだと思っている。
古き良きデザイン、かえがたい音質、捨て去られたくないものが数多く存在する。わたし自身にとっても、そういったものの存在がある。
だが、これらを想うことは同時に、ものの命の期限とそれをながらわすための技術、管理やシステムも考えられる必要はあり、販売側の認識、使う側のモラルの向上も必要とされるように思う。法律の施行が仮に見直されたとして、中古で売買が行われたにもかかわらず、その売買やり取りは表に出てきにくいがために、なにかが起こった時、責任だけはメーカーに押し付けるといった事態になるようなことも考えられなくはなく、そのようなことにはならない社会づくりも願うものでもある。
いや、それ以前に、なにかが起こってしまう前に、電気製品という、使い方や保管方法によっては漏電や発熱といったことから、人の生命や財産を奪うことにもならないとは言い切れないものの、その性能を長く維持できる高い水準の日本製品を支えてきた目には見えない努力といった価値について、販売する側、使う側が、もう少し心に留め、どのように販売し、どのように使うかを考えることもまた、法律の施行以上に大切なことではないだろうか。
posted by Rin at 01:08| Comment(9) | TrackBack(0) | デザイン全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月20日

備えあれば憂いなし

皆様、データのバックアップ、日頃から心がけていらっしゃいますか?

わたしは勤め先では、様々なデータ(特に図面など)をバックアップしておく習慣を、社内に広める役割を長年果たしてきた手前、自分が作成したもののデータの保存管理は、かなりしっかり行うクセがついています。
ですが、ブログの写真以外の記事データは、つい、おろそかになっていました。
当ブログはseesaaブログですが、日頃の使い勝手の良さから、サーバーについても信頼している部分もあります。

ここ数日の間にseesaaブログでサーバー異常が発生して、メンテナンスが長時間行われたりがございました。データにはなんの間違いもなく済んでホッとしましたが、モノには壊れない絶対なんてことはなく、そのことを改めて思う出来事でした。

昔に比べれば、パソコンのハードディスクも滅多に壊れなくなりましたし、seesaaブログをはじめとしたブログサーバーなどを扱う各社とも、様々な対策をとられていることとも思います。
ですが、備えあれば、憂いなし。
大切なデータは、必ずバックアップをとっておかれることをお勧めします。
posted by Rin at 00:35| Comment(2) | TrackBack(0) | つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月17日

“具”繋がり

コクヨがアクタスを子会社化するらしい。
正確には、コクヨ鰍フ子会社・コクヨファニチャー鰍ェ、アクタスとの合意のもと、アクタスの大株主である投資会社アドバンテッジパートナーズのファンド会社から株を買い取り、非常勤の取締役を一人、アクタスへ派遣するということ。アクタスの現在の経営陣は続投するそうだ。

コクヨといえば、日本では誰もが知るであろう文具メーカーだ。その歴史は、昨年2005年10月で創業100年を迎えている。このほど始めさせていただいたブログ『大阪から発信する』のテーマに少々絡めてみると、創業は1905年(明治38年)、創業者である黒田善太郎氏が、大阪市西区南堀江に和式帳簿の表紙店を開業したのが始まりという、大阪から発信の企業なのである。
発売されて30年、昨年までの累計で17億冊売れているという“キャンパスノート”は、誰しも使った経験があるのではないだろうか。現在では、そのキャンパスノートもバリエーションが増え、ページがめくりやすい「paracuruno(パラクルノ)」は、2005年度のグッドデザイン賞金賞(商品デザイン部門)を受賞している。手が不自由な人も、子供もお年寄りもめくりやすいノート。
コクヨは、ユニバーサルデザイン、“さまざまな人たちが、いつでも、どこでも、わけへだてなく安心して使える製品を生み出すこと”の取り組みに力を入れていることを、TVのCMや公式サイトでも表明している。

一方、アクタスは、東京・青山で始まった輸入家具のお店である。北欧インテリアブームの中、魅せる店舗で、オリジナル家具や雑貨・家電からキッチンに至るまで取扱うライフスタイル型のインテリアショップとして着実に知名度を上げてきた。
当ブログでも、京都・COCON KARASUMAのアクタス併設カフェ「スーホルムカフェ」を記事にさせていただいたことがあるが、今でこそ様々なインテリアショップが増えたが、デザインがハイセンスな店づくりのインテリアショップの、アクタスは草分けである。

コクヨとアクタス。
それぞれの持つ魅力は、まるで違っていた。
コクヨがデザインを重視するようになってきたといっても、より実用性色が濃いものの製造業と、嗜好性色のより濃いものの販売業、の違い。
だが、文具と家具、この2つの世界は、昨今とかく“デザイン”をキーワードに結びつくことが多くなってきた。様々な雑誌などで、これらのデザイナーズものが取り上げられることも後を絶たない。
文(ふみ)を書く道具と、家の道具。昔の日本家屋で考えれば、筆と文机。読み書きが大衆のものではなかった時代にまでさかのぼって思えば、その品々は美術工芸品の類でもあるわけだ。こうして考えてみると、stationeryとinteriorより、なんとなく日本語の妙を感じてしまうのは、わたしだけだろうか。

そして現代においても、どちらの道具もそのデザイン性が高くなれば、生活に潤いを与えることに変わりはない。

両社は手を携えることによって、コクヨは家具部門でオフィス家具のみではなく一般向けの事業を強化し、アクタスは資本力のバックアップを受けてさらに事業拡大を図ることとなるようだ。
両社の優れた面がそれぞれの魅力をさらに伸ばし、コクヨはよりデザイン力を高め、アクタスはより市場を拡大し、発展していくことを心から願いたい。片方の魅力が片方の魅力を半減させてしまわないよう、それだけは願ってしまう。

新しい事業展開がデザインの世界にまたひとつの新風を巻き起こし、機能性とデザイン性のよりすぐれたものが、常に身近な日常に溶け込む社会を創り出していってほしい。

コクヨ公式サイト:http://www.kokuyo.co.jp/
アクタス公式サイト:http://www.actus-interior.com/

2006年02月14日

大阪から発信する

KA-TA-CHIの別室として、『大阪から発信する』というブログを立ち上げてみました。
KA-TA-CHIで取り上げられなかったことも含め、“大阪”をテーマに、やはりちょっぴり“デザイン”に関したことにもこだわりながら、もう少々気軽な場所にしていければと思っています。
よろしかったら、お立ち寄りください。
KA-TA-CHI共々、よろしくお願い申し上げます。
posted by Rin at 00:39| Comment(4) | TrackBack(0) | つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月12日

日本橋

日本橋1.jpg「COREDO日本橋」を訪れた時に撮った『日本橋』の写真。

昨年12月26日に行われた小泉首相と奥田碩日本経団連会長の会談で、日本橋の伝統的な景観を取り戻すため、橋をかぶさる形で走っている首都高速道路を地下にもぐらせるなどして高架を撤去する構想の実現へ、前向きな姿勢の発言が交わされたということがあった。

現在の写真のような状態から、近い将来どのように変わるのだろうか・・・。期待したい。

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posted by Rin at 23:38| Comment(2) | TrackBack(0) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

SERENDIPITY(セレンディピティ)日本橋店

【住所】東京都中央区日本橋1丁目4-1 コレド日本橋3F
【TEL】03-5205-0011
【営業時間】
AM11:00〜PM9:00(平日・土)・AM11:00〜PM8:00(日・祝日)

【開業】2004.03.30 <内装のみ 新築>
【経営者】潟\ニープラザ
【設計】
ウエストエリア:K.I.Dアソシエイツ
イーストエリア:カザッポ アンド アソシエイツ
フラワーショップ:エイチツーオーデザインアソシエイツ
【協力】照明:ウシオスペック
【施工】高島屋スペースクリエイツ
[商店建築 2004.06掲載]

【関連HP】http://www.sonyplaza.com/serendipity/

「SERENDIPITY(セレンディピティ)」は、「COREDO日本橋」の3階ワンフロア(約2200u)を占めるソニープラザ新業態のメガストアである。
その名前は、“思いがけない出会い・幸せな出会い”を意味し、来店客と素敵な商品との出会い、スタッフと来店客との出会い、そんな出会いと発見のある空間にしたいという願いを込めて名づけられたそうだ。

日本橋の「白木屋」内、つまり「COREDO日本橋」のある地は、ソニーが東京通信工業(東通工)として1946年に電気通信機と測定器の研究・製作を目的に会社を設立した発祥の地である。
そこに創られたメガストアは、ソニープラザとしても社を挙げての思い入れある、満を持したものであっただろう。

日本橋という地での「COREDO日本橋」の施設としてのありようとも重ねて、成熟した大人たちが自分のスタイルを自由にプロデュースできる“スタイル・ストア”というコンセプトを持たせ、大人のソニープラザとして他店とは一線を画し、ワンランク上の上質感を商品にも売場にも表している。
メインターゲットは35歳前後の女性としているが、この年代層を狙うと、昨今の高齢化社会でのエイジレス志向に沿える部分があるように思う。衣食住をトータルして揃えることで、年齢・性別に関係なく、いつまでも若々しくありたいと願うこれからの高齢世代の心情にも、マッチしてくる部分はあるだろう。
イーストエリアにあるベーカリーカフェで、ちょうどお昼どき(平日である)にお茶をしてみたが、確かに20代後半から30代台とおぼしき女性の姿は多かったが、年配のご夫婦らしき方も軽く食事をしていたり、ビジネスマンが書類を広げ打合せをしていたりと、幅広い年代の利用が見られた。

セレンディピティ5.jpg写真は、“GIFT&GREETING”コーナーで販売されていたサッカーゲーム台。
最初は非売品のディスプレイかと思ったのだが、脚に値札シールが貼られていた。(記憶に間違いがなければ¥51,450也。)これを楽しそうに話しながら見ていた40〜50代くらいのご夫婦らしき方もいた。木製のロンドン・バッキンガム宮殿の兵隊の形をしたかわいらしい人形もあれば、センスのよいキッチン小物やインテリアコーナーではデザイナーズチェアもあり、年代層幅広く、楽しんで見て廻ることができるように感じた。

ソニープラザでちょっとした小物を買い物してきた年代が、熟年層に変わり高齢層へ移っていく時代を迎えることを思えば、日本橋の「SERENDIPITY」のような現在のショップが、若い世代向けだけではない発信をしているものだと、間違いなく言えるのかもしれない。

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posted by Rin at 02:47| Comment(2) | TrackBack(2) | 物販>生活雑貨 等 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月09日

COREDO日本橋

コレド日本橋2.jpg1月末のこと、ほんの少し東京を通り過ぎる用事があって、「COREDO(コレド)日本橋」だけ訪れることができた。
すっかり遅くなってしまったが、その時撮った写真と共に、記事に残しておきたい。

【住所】東京都中央区日本橋1丁目4-1
【TEL】03-3272-4939
【営業時間】
ファッション・雑貨: AM11:00〜PM9:00(平日・土)
・AM11:00〜PM8:00(日・祝日)
レストラン: AM11:00〜PM11:00(平日・土)
・AM11:00〜PM10:00(日・祝日)
デリ・フード: AM10:00〜PM10:00(平日・土)
・AM10:00〜PM9:00(日・祝日)
※B1Fの一部店舗は平日AM7:00から営業

【開業】2004.03.30 <新築>
【建築主】三井不動産梶@(有)ティタワー
【事業主体】三井不動産梶@東急不動産
【運営】三井不動産
【テナント構成】物販13店 飲食20店
【設計】
日本設計・東急設計コンサルタント設計JV
建築:日本設計
デザインアーキテクト:コーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツ
商業環境共用部デザイン:ギャルド・ユウ・エス・ピイ
【協力】
カーテンウォールコンサルタント:ALTクラディング&デザイン
タケノヤ事務所
サイン計画:井原理安デザイン事務所
照明計画:小西武志+建築照明計画
アートワーク計画:ナンジョウアンドアソシエイツ
【施工】清水・三井住友・東急建設JV
[商店建築 2004.06掲載]

【関連HP】http://www.coredo.jp/


「COREDO日本橋」は、当ブログにてこれまで記事にさせていただいてきた東京・日本橋再開発物件の中でも、先陣を切る一昨年2004年にオープンした施設である。東急百貨店・日本橋店跡地(白木屋デパート跡地)に建てられた「日本橋一丁目ビルディング」の低層階(4階まで)商業施設部分が、「COREDO日本橋」となっている。
オープン初日で6万人、最初の週末で8万5千人を動員したそうだ。

その名前の由来は、英語で核を意味する“CORE”と江戸“EDO”をつなげた造語という。五街道の起点として、かつて日本の流通・商業の要でもあった伝統ある日本橋で、新しいランドマークとして東京の商業の“核”となっていく想いが込められたものだったようだ。
その後の周辺再開発も順調に進み、日本橋は確実に新たな目覚めのときを迎えている。

施設の事業テーマは、『時を超えて』。日本橋を活性化させていく最初の一歩を担う施設として、日本橋の持つイメージ、上質感や由緒正しさといった伝統の面と、現在のビジネス街である面の両面を考慮し、伝統を活かしつつ、これを現代的スタイルに解釈しての様々な提案がなされたそうだ。

まずデザイン面では、ビルの外観デザインは、国際金融機関の本社設計を多く手掛けているコーン・ペダーセン・フォックス・アソシエイツのプリンシパル・チーフ・デザイナーであるウィリアム・ペダーセン氏によって手掛けられた。外装を石・ガラス・アルミなどの異なる素材で構成されたデザインは、先進的でありながら重厚な風格も兼ね備えたものであり、南面のガラスによる弓形のファザードによって、そびえ立ちながらも柔らかなシルエットも主張するものとなっている。この弓形のファサードは、デザインのみならず、自然光を効果的に上層階事務所内に取り込む機能も果たしている。
そして外観のガラスによるクールなイメージと対比させ、内装ではヨーロッパの伝統的な建築デザイン手法をモダンにアレンジし、温かみのある色調や木質感、柔らかな曲線のフォルムを取り入れた構成となっている。落ち着きある上質な品格、心地よい温かさが、デザインでの最重要のポイントとなされたそうだ。地下1階から地上5階までの吹き抜け空間を貫通する、およそ35mの高さを持つ柱は、柔らかな曲線面の木質パネルで覆われ、コーナーを縦に走る間接照明がその高さを強調させるものとなっている。高さを魅せるダイナミックさは、その後の三井不動産の再開発「日本橋三井タワー」でも、デザインは違えど共通して感じるものがあった。

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またMD面では、三越・高島屋という2つの老舗百貨店のちょうど中間に位置し、これらとの共存共栄という面からも、“エイジで切らない、テイストで切ったMD”で構成し、幅広い年齢層を狙ったということだ。
主なテナントとしてわたしも注目して見たものは、“ソニー発祥の地”でもあるこの地での、ソニープラザの大型新業態店舗である「SERENDIPITY(セレンディピティ)」。(こちらについては、また改めてひとつの記事にしたいと思っている。)このテナントのメインターゲットは35歳前後の女性となっており、「COREDO日本橋」全体としても、上層階に入っているメリルリンチなどに勤めるビジネスパーソンをイメージターゲットとした30歳台向けのテナント構成が多いようにも感じたが、セレンディピティでは懐かしさを感じる商品を展示するがごとく販売されていたり、レストラン街では創業100年を超える老舗中華料理店「維新號」の新業態「甬江」の出店や、多くの文人墨客に愛されてきた松江の割烹旅館「皆美」も出店していたりと、古くからの日本橋ファンにも喜ばれそうなテナント顔ぶれもある。また、レストラン街の営業時間はPM11:00までとなっており、それまで夜が早いと言われていた日本橋界隈を変化させつつあるきっかけを創り出しもした。
コレド日本橋7.jpgさらに、本館と別館の間にある広場をリニューアル、休憩やランチにも利用できる憩いの空間へと変化させ、この広場が昨年2005年度のグッドデザイン賞の受賞となった。冬場は屋外であるため長居する利用はなかなかなくとも、都会にあって目に映る眺めの和やかな緑ある空間であり、暖かな季節には心地よく過ごせる空間のように感じた。また広場には、日本橋一丁目交差点角にあった「名水白木屋の井戸」(東京都指定旧跡)の石碑も、移設再現されている。この石碑は、江戸時代の呉服商を継いだ白木屋デパートから東急百貨店へと歴史を経て継がれてきた、江戸の歴史を理解する上で貴重な遺跡の名残である。

時を超える、幅広い年代層の集う場所への、トータルしての狙いは当ったのではないだろうか。平日の、ほんの短い時間を過ごしただけではあるが、様々な年代の人々が買い物をしていたり、休憩のできるスペースで打ち合わせをしていたりも見かけた。
当ブログで記事にさせていただいてきた「マンダリン オリエンタル 東京(日本橋三井タワー)」・「日本橋 三越本店」と共に、年月を超えて人が集い賑わう街の施設であり続けることを、今後も見守ることができればと願う。

2006年02月05日

大阪ライフスタイルコレクション2006

昨日2月4日より、イベント・大阪ライフスタイルコレクション2006「O・MiGOTO」が開催されている。期間は、2月18日まで。“大阪でMIGOTOなモノ・ヒト・コトが集まる2週間”をご披露というコンセプトだそうだ。

1987年より大阪からのファッションの発信を狙って開催されてきたイベントだったが、今回よりファッションだけでなくインテリアや食文化などライフスタイルに関する催しを開くものに刷新された。
大阪証券取引所ビルの1階エントランスホールでは、プロダクトデザイナー・村田智明氏の作品を「行為のデザイン展」と銘打って展示、電子キャンドル「HONO」などが注目を集めているようだ。

0-MIGOTOバナー.jpg
詳しくは、公式サイトでご確認のほどを。
わたしも、いくつかの催しには、観に伺える時間を作りたいと思っている。

2006年02月04日

インパクトデザイン

少々時間をおいてしまいましたが、

風神雷神-パチンコ京一.jpg 写真は、先だっての「デザインの部屋」へ伺う前に「ルイ・ヴィトン 京都大丸店」外観の夜景を写真に納め、ジュンク堂書店に立ち寄ったりしながら四条通をぶらぶら歩いている時に、目に飛び込んできた看板。
国宝の風神雷神図の屏風絵・・・ですね。オープンしたばかりの京一というパチンコ店のものでした。風神雷神の間で、パチンコ店のロゴサインがLEDで赤やら青やら、ゆっくり色を変えながら点滅していました。
四条通沿い、「ルイ・ヴィトン 京都大丸店」と並ぶ歩道側にあります。高級ブランド店もあればパチンコ店もある街並風景。

良いとか悪いとかは、ここでは申しません。とにかく、インパクトはあります。看板だけ見ていたら、なんのお店かはわからないけれど、思わず足を止めて見てしまいました。それをパチンコ店会社側(30代の若社長が率いる会社だそうです。)もねらっているのかもしれませんね。
大きな看板に、いかにもパチンコ店的なキャラクターやネオンを持ってこなかったのは、京都という土地で嫌忌されず、でもいろいろ議論を起こしそうな、とにかく目立つ看板の効果をねらってのものかもしれません。

それにしても、屏風絵の作者・俵屋宗達や、その後、屏風絵を模倣した尾形光琳、酒井抱一は、草葉の陰でどう思っているでしょうね。聞いてみたいなぁ。
posted by Rin at 15:08| Comment(4) | TrackBack(1) | デザイン全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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