2006年12月31日

そぞろごと

そぞろごと.jpg

山の動く日来る。
かく云えども人われを信ぜじ。
山は姑く眠りしのみ。
その昔に於て
山は皆火に燃えて動きしものを。
されど、そは信ぜずともよし。
人よ、ああ、唯これを信ぜよ。
すべて眠りし女今ぞ目覚めて動くなる。

                  与謝野晶子 


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2006年12月25日

今、求められていること

仕事を続けていく中で、能力によってできる事とできない事というものもあるが、ビジネスとしてやる事とやった方がいいはずだけれどできない事もある。前者は個人レベルの問題だが、後者は所属しているところや仕事を請け負ったところの考え方に基づくことも多い。こんな悩みの尽きない方も多いのではないだろうか。

昨日の日曜日、某テレビ番組を見ていたら、日本人メジャーリーガーとして活躍しながら、日本の野球界にも貢献するための努力を続けている大家友和選手のことを取り上げていた。
大家選手についてスポーツニュースなどで名前は知っていたが、選手としてのみならない社会的見地に立った地道な努力を、それも実現化しながら続けている人であるということを、わたしは知らなかった。その活動には心を打たれるものがあった。
この5年ほどの間、彼はアメリカのメジャーリーグの球場へ、施設で過ごしているような子供たちを毎年招待していた。招待した子供たち一人一人とのコミュニケーションも持つようにし、その声に耳を傾けてもいた。
そして、野球界で社会人クラブチームが廃部に追い込まれる昨今の中、野球への夢をあきらめかけた人に少しでもチャンスの場をと、滋賀県高島市との協力体制という地域密着の形でのクラブチーム「大家ベースボールクラブ」を設立。クラブチーム維持のためには年間5千万かかると言われる、その数千万を彼が負担しているという。
クラブチームに所属する選手の方々も高島市内の企業に所属したり、チームとしても地域社会活動に参加したりしながら、地域に愛され、存続できる形を模索中のようだ。
それでもサッカー・Jリーグのように、地域クラブチームが昇格していけるような制度がない野球界では、選手のがんばりたいと思う心がなえてしまう現状もあるようで、野球界のあり方そのものにも大きな問題をなげかけてもいる。優秀な選手たちが日本を離れていく今こそ、プロ野球界が抱える問題の、目を向けてみるべき根本的な部分を、なんとか改善すべく努力を続けているのが、この大家選手の試みなのではないだろうかという気がする。
彼の行っている活動から考えれば、某IT企業元トップによる球団買収名乗り上げを引き金に社会が大騒ぎし、その果てに政界までがそのあり方をヨイショしていたことなどを思い出すと苦笑してしまう。

そして、野球界の抱える問題は、野球界に限ったことではないのだとも思う。
目先の利益を追求していく中で失われていくものの多さ。
本当に、今、求められていることは何なのか。
先を見越せば、いや、最終的に人のためになることこそが追求されていけば、多くの問題が解決されるのではないだろうか。けれど、世の中は後々には得られるであろう利益よりも目先の利益を追求し、望まれない姿になってきていること、そのことに気がつき始めている人も多いように思う。

デザインの世界は、こういったことへの影響力が、実はとても大きいかもしれない。
人が住まう場所、使うもの、すべてはデザインされたものであり、デザインするということは、良きにつけ悪しきにつけ人に寄り添ってあることに他ならない。
公共施設、大型施設などは、そのあり方で地域社会のあり方にも影響を及ぼす。
わたしの現在いる業界に関わることなどであれば、例えばGMS(general merchandise store)といわれる大型小売業のあり方が、今、瀬戸際だと言われているが、GMSが抱える問題は、そのやり方によっては数年後にモールと合わせた大型施設においても抱えかねない問題でもあるような気がしている。それぞれの都市のあり方、地域社会とのあり方、人の生活の変化や環境変化と共に考えていくことが、どれほど重要なことであるか、そういったことにどこまで切実に着目しているかで、生き残り伸びる企業とそうでない企業も分かれてくるようにも思う。
デザイン面では、例えばどこか他所の国のデザイナーがデザインした外装を真似たようなことを考えるよりも先に、問われるべきコンセプトと、それに則りはじめて考えられるべきトータルしたデザインもあるはずだろう。デザイン会社よりも、施設の経営者側で気がつきはじめ、変わり始めているところもあるようにも思う。

こうして書きながら、自らを省みたらどうかと言えば、言えたものではない。
けれど、今、社会で求められていることが、確実に変化してきているのは間違いなく感じる。
格差社会、高齢化社会、少子化、いじめ、凶悪犯罪、犯罪の低年齢化、偽装問題・・・。問題は後を絶たない。人が人を傷つけ、人が人を生きにくくする社会の歪みに、打ち勝って変えていくことができるのも、人でしかないのだ。人ごとでは済まされない。
一人一人の身近な小さな行動と、望む社会とはどんな社会であるかを、ささやかな日常でも具体的に考えてみることから始めてみても、けっして遅いことではないはずだ。

個人としての大家選手のような活動は並大抵のことではないが、社会構造そのものが悲鳴を上げながら彼のような行動も求めていることを、組織も企業も人も考えるべき時がきているように思えてならない。
posted by Rin at 22:24| Comment(6) | TrackBack(0) | つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月23日

Merry Christmas!

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少し早めですが・・・、

メリークリスマス!!
皆様に素晴らしい聖夜が訪れますよう、お祈り申し上げます。
posted by Rin at 09:18| Comment(8) | TrackBack(0) | つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Awaking slowly

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しばらくお休みさせていただく前に、少し目を患ったり色々あったりで、ご心配をいただいたりしましたこと、申し訳ございませんでした。
目の方はこの12月初旬に無事、手術を終わらせ、順調な回復をしております。
メールなどをいただきました方々には、お心使いに心より感謝申し上げます。
また個々にも御礼申し上げたいと存じますが、この場にてもお読みいただいていた方々に、ご報告と御礼を申し上げます。             
Rin


posted by Rin at 09:00| つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする