
関西空港と大阪市内を結ぶ、南海電鉄のラピートです。
このカタチ、つくづく思いますが、鉄人28号ですね。
デザイン関係者の方はご存知の方も多いことと思いますが、このデザインをされたのは京都の建築家・若林広幸氏で、ラピート登場の当時はJR西日本のはるかをデザインされた木村一男氏との間で、議論が繰り広げられたりもしました。
よく聞いたことのある意見は、“はるかは設計で、ラピートはデザイン”といったことでしたが、今更のように、どちらがどうのといったことをここで述べるつもりはありません。
ただ、当時はまだ現在以上に、元々の分野や領域を超えるといったことに、元々そこで活躍してきた方々の抵抗感は強かったのではないかと思います。
木村一男氏にしてみれば、新幹線のデザインにも携わってこられたその道のプロであり、車両のあり方というものに確固たる信念もあったことでしょう。そして、それに対抗する私鉄としての集客を見込むためのアイデアに、このラピートの斬新さも必要だったはずです。
どちらも、それぞれに必要とされた事柄に対し、真剣であったことには違いありません。
分野を越え領域を超えるところに、時として、まったく新しい発想の転換が生まれる。そこに立ち向かう姿勢が真摯であれば、後々には、それぞれにそれでよかったと落ち着くように思います。
ラピートもはるかも、どちらもその時の交通経路の利便性などで使い分けて利用しています。仕事での利用がはるか、プライベートでの利用がラピート、そんな気分的使い分けもあるかも。
日常的なイメージの強いものも、そうでないものも、どちらもそれぞれの理に適ったデザインなのではないでしょうか。

