2006年09月17日

全般を理解せずして成り立たず

ラグジュアリーという言葉、最近よく使われるようになった言葉だと感じる。実際わたしも、例えば「マンダリン オリエンタル 東京」について記事を書かせていただいた時、ラグジュアリーという言葉を使っていた。訳せば“豪華で贅沢”といったことだが、こいうった横文字に少々+αな香りのような隠し味的魅惑的感覚を持ってしまいやすいところ、使ったわたしも苦笑してしまうものだったりする。
そして、その言葉を使わせていただいたマンダリン オリエンタル 東京などは、確かに魅惑的な場所でもある。素敵なところである。それは別として、ここしばらくの間に感じたことで話を進めたい。

最近、東京にお住まいの方とお話する機会が何度かあり、よくありがちな話題として、東京VS大阪・関西みたいなことでも盛り上がった。東京の方の、大阪や関西に対してお持ちの感覚が、本当に人それぞれに違っていておもしろかった。いわゆるステレオタイプな大阪のイメージ、お笑い・たこ焼き、道頓堀に見られるような街からのイメージが大きい方もあれば、そうではない部分もよくご存知の方もあり、とはいえ聡明な方々は皆さま実に心得ていて、関西人のプライドを傷つけるのはうまいやり方ではない(笑)、みたいなこともよくご存知でデリケートさを失わない、とても表現がお上手だったりする。全国規模、あるいは更にグローバルにビジネスで成功できる方というのも、そういう方であるということを感じることも多い。

さて、“ラグジュアリー”だが、雑誌などで東京の施設の説明に使われたりをよく見かける。東京へいざ行かんのお誘い文句としての“ラグジュアリー”。けれど、関西にラグジュアリーな場がないかといったら、そうではない。関西人がラグジュアリーを東京に求めているかといったら、それもおそらく違うような気がする。そういう方もおられるだろうが、どうかなぁ、わたしは違う。わたしの場合、東京生まれの関西育ちで、どちらの良い部分も悪い部分もある程度はわかって、まぁ、どっちがどっちと比べられるものでもないと思っていたりではあるが、大阪のステレオタイプな部分とは違った面はもっと知られてほしいし、案外、日本人全般の感覚を理解する早道が関西には多々揃っていて、それを理解できる企業や人は、首都圏範囲のビジネスに終わらない・・・なぁんてことを思ったりもある。それはわたしが現在、関西に住んでいるからという欲目の部分もありだが、地方の方々も同じように、首都圏ではなく、我が住家のある地の良さを常々知られてほしいと心ひそかに思っている人も多いのではないだろうか。
例えば、そんな心情を無視した雑誌などの購買部数が今後伸びるのかどうかも、少々疑問の残すところではあると思う。
わたしの欲目に話を戻すが、お江戸以前の日本文化は、なんといっても西からであり、鎌倉より東の首都圏を通り越して北でも広がっていた。例えば建築などでの、豪華にして贅沢、荘厳な文化跡を、非常に身近で目にしていることが多くて、それについて改めての意識を持っていないのは関西人かもしれない。
何を古い時代を持ち出すと思われるかもしれないが、どんなに欧米文化が入り込んでも、日本人は家では靴を脱いで生活するし、フローリングも欧米文化のように思われがちだが、床板貼りは日本文化である。デザインについて言えば、文化や生活様式とは切っても切れないものだし、この活動はビジネスでもある。根底的なことに目を向ける意識がなければ、それ以上の発展などないし、上面だけの流行に終わるようにも感じる。

首都圏は、確かに情報発信が早くて多く、変化も早い。だが、首都圏エリアのみを対象としないビジネス感覚を持つには、地方から見た首都圏への憧れ意識といったものをくすぐるみたいな感覚と同レベルのアプローチ、それで成り立つ時代は既に終わっているという認識も必要ではないだろうか。日本から見た海外への意識も、そろそろ同様のようにも思う。
交通手段の発展、インターネットの発達、情報はあふれ、感性の磨き方も人それぞれの時代だ。
日本の一般ピープルを甘くみてはいけない。海外から見れば、靴を脱いで家の中、清潔に綺麗に住まう日本人は、それこそラグジュアリーを昔からごく自然に手にしているのかもしれない。

ラグジュアリーという言葉、わたしが今後使わないかといったらそうではなく、関西の、全国の、世界の、魅惑あふれるラグジュアリーな場も機会があれば訪れたいし、紹介したいものだと思ったりである。


posted by Rin at 09:18| Comment(0) | TrackBack(0) | デザイン全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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