
【住所】大阪府大阪市中央区難波3-8-9
【TEL】06-6634-0101
【営業時間】AM11:00〜PM8:30
【開店】2006.09.22 <新築>
【経営者】滑ロ井
【設計施工】建築:竹中工務店 内装:エイムクリエイツ
【環境デザインプロデュース】間宮吉彦
【関連HP】http://www.0101.co.jp/namba/
先週の金曜日9月22日、大阪・ミナミの難波駅前に「なんばマルイ」がオープンしました。
首都圏を中心に“駅のそば”をひとつの売りとし、10代後半から20代の若年層をターゲットに展開してきたチェーンストアーの関西2号店です。1号店は神戸マルイ。こちらも三宮駅のすぐそばにあります。
今回の大阪初の出店が“なんば”であること、これは大阪での集客を見込める立地を考えた時、必然であったのではないかと感じます。全国でご存知の方も多いことと思いますが、大阪といえば、賑う街が“キタ”と“ミナミ”というように分かれて発展しています。この現象には、大阪郊外と市内を結ぶ交通機関の終発着駅のある場と、おおいに関係があります。マルイが出店した“ミナミのなんば”は南海・近鉄線のターミナルであり、“キタ”は阪急・阪神線のターミナルと京阪沿線から出やすい市街地となっており、それぞれの特色はあるものの、商店はうまく集客を分け合っている状態にあります。“キタ”である大阪駅・梅田駅前周辺での若年層ターゲットの施設状況を考えると、すでにかなりの飽和状態にあり、それに比べると難波駅前であれば、古くからある高島屋ともターゲット層の範囲から競合というよりは相乗効果を生み出せる関係になれる。こういった状況が、“なんば”での大阪初の開業のポイントにはなっているように感じられます。
環境デザイン面では、神戸マルイでもデザインディレクションなさっていた間宮吉彦氏のプロデュースということで、オープン当日、デザイン関係者らしき訪問者も多かったように思いました。わたしも当日、訪れました。なかなかの盛況ぶりで、この日ばかりは若い人々の姿だけでなく、老若男女、様々な人々が集まっていました。レディスグラマラス系カジュアルなどのフロアで、スーツ姿のおじ様方がウロウロしている姿を大量に見かけたりするのは、最初のころだけの光景ではないかと思います。
訪れた時間帯によっては、地下はそれほどの人ごみではなかったようなのですが、おそらくはオープン前の行列が1階外回りに出来ていたことでしょうし、その影響で1階に人が集中していたのではないかと思います。落ち着いてきたら、この施設の集客口は御堂筋線地下鉄出入口に面している地下からがメインになってくるのではないかという気がします。
それを見越してか、地下フロアの店内環境造作は、神戸マルイの1階を思い出させる仕上がりとなっており、神戸でのデザインイメージのキーワード&コンセプトとされていた“プチゴージャスシック”にして“表情のある空気感”と相通じる、表情があって透明感のある空気感を地下フロアで力を入れて表現されているように感じました。そういった商業施設デザインの中でも正統派的な“キレイさ”をすっきりと自然に表現されるのは、間宮氏の作品に多いように感じます。とても安定感のある、信頼度の高いデザイン性を感じるものです。
あと、環境デザインでわたしが惹かれたフロアは、メンズフロアでした。おそらく、昨今の若年層女性陣のファッションへの購買意欲は、フロア環境に左右されない力もあり、個々のテナントの商品の見せ方の魅せどころの方が重要かもしれません。男性陣のファッションへの関心もかなり高まってきている時代ではありますが、女性ほどではない。そこでフロア全体で惹きつける力も、重要になってくるのではないかと思います。
メンズフロアの5階と6階で、色彩や素材で天井と床の仕上げを反転させていました。5階では通路にブラック系の格子調カーペット、天井には基本を木とし、ブラックのランダムなパンチングメタルとスチールのオブジェでリズム感を出すといった仕上げであるのに対し、6階では木のフローリング床にブラックの天井といったように、反転させることで遊び心のある飽きさせない空間構成を生み出していました。また5階6階ともに、エスカレーターで上がってきた時は、色彩と照明による暗め視覚になっており、「なんだろう」と覗き込みたくなるような雰囲気で、反対に下りのエスカレーター口は明るめで「もう少し見ていこうかな」といった心理が働きそうな、そんな構成をされていました。
間宮氏によるトータルプロデュースのもと、5階のデザインは、タワーレコードのアートセクションで活躍後、テキスタイルデザインやコンバース・docomoのデザインも手掛けるなどで知られる有田昌史氏によるものだそうです。
メンズでのテナントの雰囲気は、30代前半もターゲットゾーンに入っていることを特に感じさせるもので、ビジネススーツなどをメインに取り扱う丸井のプライベートブランド「ビサルノ」は、ガンバ大阪の宮本選手(たしか現在29歳)がモデルを務めていたりで、全体的に落ち着いたイメージを作り出していました。それはレディスも同じで、渋谷のカリスマ販売員から転身、独自のブランドをプロデュースする森本容子氏の「ブラック バイ マウジー」なども、若年層だけでなく受け入れられそうな美脚ジーンズを店頭に、落ち着いた店作りを展開していました。
写真を撮ってご紹介したかったのですが、店内のいたるところに案内係の腕章をつけられた方と警備員の方がおり、普通に来店客として入場した場合、ちょっと携帯のカメラを構えても注意されそうだなという雰囲気でしたので、あきらめました。
もう少し入場者数も落ち着くころに、カフェに立ち寄るなどもして、ゆっくり廻ってみたいと思っていたりです。
帰りがけ高島屋も少し覗いてみましたが、高島屋は高島屋で賑わっていました。



Rinさんの文を読んでいると、とても考えられた空間が出来上がっているようでこれからどうなっていくのか楽しみですね。
こんばんは(^^)
コメント、ありがとうございます。
写真でご紹介できればもっとわかりやすい
はずなので、それが残念です。
なんばの駅前としては、中の環境が、周辺
の様々な底上げになってほしいなぁと
思います。
デザインの力って、そういうところにも
発揮されるはずですものね・・・。
ここ2ヶ月程激務に終われ、その仕上げに1週間程日本を離れていました。
帰国したら浦島太郎状態で、安倍首相は向こうでも話題になっており想定内でしたが、なんば丸井にはびっくりしました。
私も近いうちにゆっくりと訪れたいと思っています。いつもながらの詳細レポート、お疲れさまでした。
コメントありがとうございます。
激務に海外・・・お疲れ様です!!
マルイ、大阪での開業に、デザインでの話題
も豊富で、しばらくはご盛況が続きそうです
ね。今は人・人・人かもしれません。
お仕事落ち着かれ、ゆっくりできるといい
ですね。
くれぐれもお体は大切になさってください
ね・・・。
大阪・難波駅前の「マルイ」の店舗デザインには失望です。御堂筋、高島屋のレトロな建物を意識せず、安っぽい+貧弱なデザインの商業ビルは街を安っぽく見せてしまいます。
はじめまして。
コメントありがとうございます。
ですが・・・、海外にお住まいとのことですが、
純さんは、実際のマルイをご覧になって、
このコメントを書かれていらっしゃるので
しょうか?
もし、見て触って体験して書かれておいで
でなければ、これに対してお返事さしあげる
ことを空しく感じます。
確かに、マルイの外観が、あの場所でズバリ
正解であると言い切ることは、わたしには
できません。だとしても、マルイが出来る
前の難波駅前が良かったとも思っておりま
せん。高島屋を前に、駅周辺、けっして
美しくはありませんでした。
また、マルイの内装デザインに関して言えば、
ご覧になられてもいない方に、安っぽいなどと
言われるような内容ではなかったというのが、
わたしの感想です。
難波周辺も、今後どのように淘汰されていく
のか、見守っていきたいと思っております。
デザインに関する意見の述べ方、批判の仕方
などについても、それに関わり影響を与える
人々がもっと心して書くようになり、淘汰
されてほしいものだと改めて思いました。
(アクセス履歴からも、わたしの言わんと
していることにご関係ありそうにも思い
ましたので。)
きついようですが。