2007年02月04日

真の美しい日本へ

先月末、新聞などで報じられていたが、邦画の2006年映画興行収入が、洋画を21年ぶりに上回る結果となったようだ。
ちょっと痛快なニュースのように感じている。
確かに昨今、話題になった映画にどんな作品があったかと思い浮かべると、邦画の題名がかなり多く思い出されるかもしれない。昨年の邦画での最大のヒットは「ゲド戦記」だったようだが、それ以外でも昨今、より高いストーリー性を持った邦画が話題を集めるようになってきている。少し前から、「たそがれ清兵衛」や「ALWAYS 三丁目の夕日」のようなヒューマニズム溢れる作品が製作され、高く評価されるようになり、それが昨年の結果にも結びついてきているように感じる。

この背景には、邦画の活躍だけではなく、洋画が右肩下がりであるという現状もある。今朝方見ていたTVでも取り上げられていたが、今、ハリウッドでは映画ファンドを介在させるシステム化の中で、利益と効率を重んじる傾向が強まり、企画とストーリー性を重視したものを創れない傾向があるようだ。
これについては日本のビジネス社会の中でも、似たような危険をはらんでいるようなことは多々あるように思う。
ものづくりの現場でもそうだ。効率化は金太郎飴的大量生産を促進させ、確かに経済効果もあることだが、根本的な中身重視が伴わなければモノだけは溢れるが欲しいものではないといったことにも繋がる。抽象的な表現に留めているが、これで失敗しているビジネスはかなりあるように思う。
同じようなものをたくさん産み出すのであれば資本力の強いところが勝ち残るが、それだけでは満足できない見る目というものも、モノが溢れることによって養われてもいるのではないだろうか。

邦画の興行収入の結果は、日本という国内文化にも目が向けられつつあるという喜ばしいことでもあるが、ストーリー性の欠いたものには飽き飽きしつつある人の心の中も映し出しているような気もする。

昨年末、“今、求められていること”として、地域社会と密着した野球クラブチーム「大家ベースボールクラブ」のことを例に取り上げさせていただいたが、その後、デザインの世界でも、これまでは海外と日本を比べて日本を卑下する傾向が強かったような方々も、ようやく国内に目を向けられ活動を始められたりしている。いささか現在の社会傾向に便乗した利益追従を睨んだ調子の良さも感じずでもないが(儲けることが悪いことだというのではない)、それでも大いに喜ばしいことだと思う。ぜひ力を入れていっていただきたいことだと思うし、今後の行く末を見守りながら、自らも参加できるようなことには力を尽くしたいとも思う。
結局のところ、どんなに隣の芝生が青く見えようとも、自分の国の文化を愛せなければ、海外の良さを見習うことなどできないのではないかと思っている。

日本、そしてその文化の中に秘められた豊かなストーリー性、それを活かして世界へ誇ることができるのも、私達、日本人でしかない。
posted by Rin at 10:54| Comment(4) | TrackBack(0) | つぶやき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに良い邦画多くなった気がします。
 
時流に左右されない確固たるもの、と同時に良いものを受け入れる柔軟性・・・簡単な事ではないですね。

>自分の国の文化を愛せなければ、

どの位知ると言うより触れているか?頭にも耳にも痛いお言葉です(苦笑)(>_<)
Posted by raku at 2007年02月04日 12:57
海外へ出る機会が増しているのですが、コミュニケーションを深くとろうと思えば思うほど、色んな物を見れば見るほど、ますます『日本』についての無知を痛感しているところです。
隣の芝生の文化の中に秘められた豊かなストーリー性を勉強しているところですが、自分の国についてもっと勉強しないと・・・と考えている所です。
Posted by Durga at 2007年02月04日 18:54
こんにちは。
制作費が幾ら注ぎ込まれた特撮かであるより、人の生き様を中心とした人物像などが描かれることに惹かれる人が増えているのでしょうね。そこに古き良き日本の面影も見ることができると郷愁を誘われます。
最近は映画館へ行くことが少なくなりDVDをレンタルして見ることが増えましたが、良い邦画が増えてくれることは日本人としてうれしいことです。
Posted by kuroki at 2007年02月04日 20:13
コメントありがとうございます。


raku様

日本文化に触れているか?という部分、わたし
自身にとっても課題であるところあります。
ただ、身近なところに目を向けてみることは、
少しづつでもいいから行っいきたいということ
は、いつも考えていたりです。
(なかなか更新していませんが、別室ブログの
“大阪から発信する”も、そんな思いはあって
のものです。)
いつも前向きに物事に取り組んでおられるrakuさん
のお耳に痛いなんてことも、ないとわたしは
思っています。(^^)


Durga様

海外文化に触れられて、そして日本を省みる、
とても貴重なご経験をされておられるのだと
思います。
海外文化を日本に取り入れる場合も、海外へ
日本文化を伝える場合も、どちらの文化のこと
も理解していなければ・・・といったこともあり、
わたしも日々勉強しかないと思っております。


kuroki様

そうですね。大掛かりなアクションシーンより、
心の琴線にふれるようなものに、わたしも最近
より多くの魅力を感じます。
殺伐とした事件などが毎日のように報道される
昨今の中、そういったものを求めている人が
増えているのでしょうね。

わたしもすっかりDVDで観ることが多くなって
いますが、たまにはシートのゆったりした映画館
で気分転換することも、ちょっと復活させたい
と思っていたりです。
Posted by Rin at 2007年02月04日 23:04
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