2007年02月22日

背景の上に成り立つ

ちょっと前まで、所謂おしゃれなデザインされた小物雑貨などは、少々特化されたインテリアと雑貨を扱うようなお店に並んでいたように思う。だが最近は、そんなお店の種類も増え、さらに100円・300円均一のようなところでも、それなりにおしゃれと感じられるような商品を扱うようになってきた。
文具やキッチン雑貨など、何か欲しいと思った時の購入の選択肢は、ものすごく多くなったように思う。

デザインにおしゃれ感をイコールさせる人は、未だに多いように思う。だが、それだけがデザインではない。それだけがデザインではないということを、有識者であるデザイナーの方々は、どこかで講演などがあるたびに一度は語っておられるように感じる。
デザイナーとデザインを売り物にするために仕掛ける人々の間で、デザインを理解するということの認識の差が案外大きくあるように感じられてしまうこと、その隙間を埋めることがデザイン界にとって結構重要なんじゃないかと思うことがある。社会がデザインとはなんぞやと考えるきっかけをつくる窓口が、いつまでたっても、“おしゃれである=デザイン”だけに興味を持ってスポットを当てているのでは、デザイナーの社会的意義が見失われてしまうのではないだろうか。

古い旅館を再生されたあるデザイナーの方が、大変な手間をかけ整理し空間をデザインしたが、できる限りデザイナーが手を加えたことを感じさせないようにデザインしたと語っておられたことがあった。空間に存在する時間軸の大切さを思ってのデザインということだったが、こういったことの重要性は、一般的に語られやすいデザインのおしゃれさからくるインパクトなど以上に、あらゆる場所に存在するデザインの重要性でもある。
そんな部分にも力をいれ、心を砕き、デザインされたものもたくさん存在するのだ。

都市では、街にあふれつつあるおしゃれデザイン。
それだけに消費者の目が必ず向くとは、限らないこともある。
同じ通りに数店のドラッグ店が建ち並ぶ激戦区で、おしゃれ感が高いデザインが前面に出たお店とそうでないお店、どちらが売れているかといえば、圧倒的にそうでないお店であったりすることもある。おしゃれ感が高いデザイン性の高いお店は、そのデザインを全国で統一展開しているようだが、地域によって異なる集まる消費者層の心理を見極められていないとも言える。
そうでないところがデザインをしていないかと言えば、そこにもデザインの力は存在している。

いろんなデザインのカタチがあり、その背景がある。
背景の上に成り立っていること、その内容がより重要なデザインの理由だ。

一般的に語られやすいおしゃれなデザインされたもの、おしゃれさにもいろいろあるが、デザインされたことを感じさせすぎないデザインの魅力も、もっと世の中に浸透していってほしい。
posted by Rin at 12:18| Comment(2) | TrackBack(0) | デザイン全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
デザインにおいて「平凡の凄み」のようなことを最近よく感じます。
もてはやされるデザインが必ずしも利用者の我々にとって快適か、ということが歳のせいか気になりだしました。
最近オープンした大型商業施設のこまかいところに対する気遣い、例えば誘導表示の見やすさや、休憩スペースの心地よさ、あるいはハンディのある人たちのための心遣いなど、外観のデザイン等と比べては地味ですが、その会社の永年の地道な積み重ねがにじみでているようで好感がもてました。

目を惹くデザインもいいけれど
中もちゃんとやってよ、というような
商業施設も結構多いと感じています。
Posted by サーカスマン at 2007年02月25日 02:35
サーカスマン様

本当に優れた施設は、細かな点も配慮が行き
届いているものだと思います。

デザインという言葉が、どう捉えられているか、
表面的な見栄え的部分だけがデザインではない
ということ、そんな部分の社会的認識が高まる
ことも、機能面も含めた全体のデザイン性を
高めることにもつながるのではないかと思った
りです。
Posted by Rin at 2007年02月25日 23:29
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