
統一ブランドというこの企画の発案者は、アパレルデザイン業界に関わり深く、神戸マルイのディレクションなどの実績をもつ、プランニング会社アドバタイジング・オーケストラの社長AZZAMI(アザミ)氏。そして、『CDT』デザインを手掛けるのは、記事にもさせていただいた「amadana」を手掛けた鄭 秀和氏と、ロンドンの代表的なデザイン誌「Wall Paper」の創始者であるタイラー・ブリュレ氏である。デザインについて両氏が各得意分野とする、立体的部分と平面的グラフィックをそれぞれ担当、ブランドロゴの入れ方やデザインディテールまで詳細を決めたマニュアルを各メーカーに配布し、そこにそれぞれのメーカーの持つ技術力が加えられての商品とのこと。『CDT』という名称は、Craft=職人、Design=デザイン、Technology=技術という、商品へのコンセプトをそのまま表現している。
現在の商品種類は約30種類で、メーカー7社の取り扱う各商品担当内容は、
サンスター文具→定規類 ・ ゼブラ→筆記具 ・ ぺんてる→筆記具 ・ 竹尾→ノート類 ・ ライオン事務器→ハサミ、机、椅子 ・ ヤマト→のり ・ シャチハタ→ハンコ
と、各メーカーの得意とする分野を扱っているようだ。
例えば、紙質という点でノート類に、グラフィックデザイナー御用達の竹尾まで参入しているというあたりが、この企画内容のこだわりを非常に感じるところでもある。
将来的には、オフィス用のデスク・チェア、ノートパソコンのケースや各種バッグなども扱っていく方向とのことである。
また、商品の販売店だが、全国の生活雑貨店やインテリアショップ・アパレルのセレクトショップなどで扱っていく予定だそうで、ここに鄭氏の「amadana」と同じく販売ルートもこだわることにより、通常考えられる商品へのイメージを一歩前進させ、価格・質的にも一線を画すものとし、それでありながらより身近に感じられるものとしていくよう思われる。商品を並べる什器もウォルナット材を使った上質感のある専用什器を、鄭氏の会社インテンショナーリーズで開発中とのことだ。
現時点での情報では、関東ではアパレルの「ユナイテッドアローズ」やライフエディトリアルショップの「シボネ」で販売が予定されているようで、大阪では南堀江のビジュアル洋書籍やCDなどを中心に扱うセレクトショップ「コピーライト」で販売が開始されている。来秋の1年間をメドに、国内200店・海外100店に売場を設け、3年後にブランド全体で10億円の売り上げを目指しているということなので、身近に『CDT』を購入できる日もそう遠くはないだろう。
CDTwebサイトにも、調整の上、販売店一覧が掲載されるようだ。ちなみに、このwebサイトだが、タイラー・ブリュレ氏サイドのロンドンで制作されているらしい。
そして、さっそくだが本日、大阪・南堀江の「コピーライト」でいくつか購入してきた。

写真は、ポケットファイル(¥1050)とシャープペンシル(¥1575)、そして消しゴム(¥210)である。明日からさっそく仕事で使おうというお手頃なもの。とてもご親切に色々商品の説明をしてくださった店長さんのお話によると、ポケットファイルに使われているデザインは、真田紐(戦国武将・真田昌幸が刀の柄に巻いていたという、太い木綿糸で平たく厚く編んだ紐)をモチーフにしているそうだ。世界へと市場拡大を目指す商品として、図柄・色彩などにおいても日本の伝統美も取り入れたものにしているようだ。また、シャープペンシルは非常に軽く握りやすく、消しゴムは消し具合上々によく消える。どれもシンプルでいて、すっとした上品さのある、飽きのこないデザインである。
なお、「コピーライト」だが、「amadana」も取り扱っている。
CDTwebサイト内に掲載の社是に、Craft Design Technologyという“3つの言葉が組み合わさる事を、必然だと感じられるようにしたい”とあり、また、“デザインとは、かたちだけでなく、意味を創造する事”とある。
ここ数年、文具市場は低迷が続いている。文具をコーナーで多く扱う100円ショップが全国各地にひしめく状況などから考えても、低価格競争・コスト削減などが余儀なくされることは、容易に想像がつく。消費者にとって安いものが気軽に手に入ることは、バブル崩壊以降それはそれで必要に迫れれた社会背景もある。だがそれだけでは経済市場の悪循環が招かれ、ものづくりに携わる企業は立ち行かなくなるだろう。
文具というビジネスあるいは学習などでの日常の中、身近に使用するもののあり方を少し掘り下げ、追及するこのプロジェクトが、デザインされた文具としての話題性だけでなく、企業の垣根も国境も越え、ものづくりへの新風をも巻き起こしていくことを期待したい。
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アマダナのデザイナーの人が手がけてるんですか。要チェック。かっこいいですね。
アマダナといえば、フランフランでこの前見てきました。情報役立ちました。ありがとうございます。
こんばんは!
>アマダナのデザイナーの人が手がけてるんですか。
そうなんですよ〜。
そして、さっそく買いに行ってしまったのでした。普通の文具よりはお高めだけど、飽きのこないデザインでトータルコーディネートできるって感じです。
はさみなんかは、岐阜で職人さんが手で磨いて刃の角度を出したとかで、お店で切らせてもらったんですが、すごい切れ味でした。(ちなみに¥5250で、今回は見せていただいただけ(^^;)
こんばんは!(^^)
文具については、文具業界全体に呼びかけてのプロジェクトになってますよね。業界そのものに、そういった話題作りや、従来と違ったコンセプトでの販促が必要とされてた時期でもあったのかもしれないですね。
鄭 秀和氏のデザインには、わたしもかなりの興味があります。肩書き的には建築家であっても、暮らしの中に必要なものだからトータルして考えてみたらこうなった・・・、といった感じの、わざわざじゃない鄭氏独特のさりげなさみたいで、魅力的だなぁと思います。
これから目指す人の中でも、そういった建築家も増えてくるのかもしれませんね。
はじめまして。コメントありがとうございます。
>物は形、デザインで「以心」することってよくありますよね。
そうですよね。そのものの形で伝わってくる、そんなデザインをここでも両デザイナーの方々は目指されていることと思います。
これからが楽しみなCDTです。
はじめまして。
コメントありがとうございます。
CDT、わたしも気に入って使っております。
ただデザイン性の高い文具というだけではなく、
日本の老舗メーカーのそれぞれの技術を結集
させてというところが、少々応援したい気持ち
にもなったりです。