2005年11月20日

東京にて、ホテル事情に思う

東京での今回の宿泊先は、宿泊翌日の行動に便利な立地条件の中、極力お安い宿泊費で、それでいて女性が泊まりやすい清潔さなど備えていることを、ネットの旅行情報を載せたような掲示板の口コミ情報なども考慮して選んだ。
出発前に決めていた宿泊先、急遽帰りを1日延ばして当日朝に決めた宿泊先ともに、なかなか快適に過ごすことのできるものだった。


東京を訪れる前、amadana・CDTなどを手掛けられた、もう当ブログでは何度となく取り上げさせていただいた鄭 秀和氏が設計されたホテル、「クラスカ」への宿泊も考えたのだが、東京デザイナーズウィークでの青山のメイン会場をおそらくは1日では廻りきれないと見越していたため、宿泊先も青山にすることにした。
だがとりあえず観るだけは観ておきたい気持ちも強く、「クラスカ」へは東京へ到着したその足で訪れてはみた。

クラスカ1.jpg「クラスカ」は、目黒通りに建つ昭和40年代開業の「ホテルニューメグロ」をリノベーションさせたもの。
このホテルをホテルとして再建させることは、専門家の間で困難であると言われていたそうだ。老朽化の具合や駅からは多少歩く立地条件など、投資に対するリスクに悩まされたのではないだろうか。
そして、ここでおもしろいと思うのは、発想の転換というもの。
その名前「クラスカ」は、どう‘暮らすか’という発想からきており、長期滞在型のウィークリーマンション的な部屋も設けることで、月極家賃としての収入も確保できる方法をとっている。日本国内に向けたアピールより、世界の中の日本の東京という広い視点から考えられている。またそれにあわせ、日本的な素材や技術を活かして、カタチで見せ過ぎるのではない雰囲気で日本を味あわせる空間を目指されて、このホテルは成り立っているそうだ。
クラスカ2.jpgなるほど訪れた時、1階のラウンジには、外国人の方が2組ほどいらした。
車の多い目黒通りの喧騒が嘘のように、一歩中へ入ると静かで落ち着きある空間が広がっていた。この雰囲気の言葉での表現は難しいが、すっきりとしたシャープな感じでもあるようで、素材感の暖かみや落ち着きもある、そういえばamadanaのデザインと重なる部分もあるかもしれない。
「クラスカ」へは、また改めて、宿泊しに訪れたいと思う。


以前、東京のホテル業界での2007年問題を記事にさせていただいたが、今回の東京宿泊で、その問題がそれぞれのホテルの生き残りをかけ直面している問題であることを、かなり肌で感じた。
それぞれが価格面、サービス面など、なんらかの方法で他と特化したものを確立させて、固定的な利用客を得るための努力をしていた。例えば、飛び込みで宿泊した先は、羽田空港へ朝早くに到着しやすいことを目的に選んだのだが、早朝に空港まで小型バスで送ってくれるというシステムをとっており、朝ホテルを出発の時には、小さいものだがおいしいパンひとつとジュースを紙袋で持たせてもくれた。宿泊費がかなり抑えられたものであっただけに、驚くサービスだったが、ここで取り上げたいのは安かったから良いというのではなく、ホテルマンの姿勢やサービスそのものの価値が非常に高かったことを、あえて強調したい。

東京で抱えられたホテル問題の中、大型高級ホテルへの対抗策として、多くのホテルの生き残りへの活動が低宿泊費へ傾くことは避けがたいことなのかもしれない。だがそれ以上に、ホテルとしてのサービスをどう行っていくか、それが重視されることこそ、ホテル業界そのものの質の向上や、そこで働くホテルマンの心がけ、ひいては働き甲斐にも繋がるのではないだろうか。

「クラスカ」のように、計画当初からホテルとしてのあり方を、少々他とは違った角度から確立させたもの、これもまたひとつの手法である。

出発の時、朝食の入った紙袋を手渡すとともに、丁寧なあいさつで送りだしてくださったホテルマンのその様子が、わたしにまた宿泊したいと思わせたこと、そんな日々の積み重ねこそが、ホテルの存在価値に繋がるということも、ここで改めて書いておきたかったことである。


posted by Rin at 09:54| Comment(2) | TrackBack(4) | ホテル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ホテル問題はかなり深刻なようですね。外資系のホテルが東京では勢力をこれからさらに増す傾向にあるようです。
 ホテルクラスカは、そういった中でジャンルが異なるものではありますが、かなり客室稼働率はいいそうです。泊まった事はないのですが、1階のカフェで友達と休んでいたら歌手のhitomiさんがスタッフの方と仕事の打ち合わせに来ていてビックリしたことを思い出しました。
 いつか一度でいいから泊まってみたいと思います。
Posted by onora123 at 2005年11月24日 08:08
onora123様

こんばんは!

東京での外資系の高級ホテル進出、本当に凄まじいですね。12月には、マンダリンもオープンですし…。

クラスカのように計画段階でちょっと一線を引いてプランニングされたものは、あまり熾烈な競争には巻き込まれずに成り立っていってほしいものです。

>1階のカフェで友達と休んでいたら歌手のhitomiさんがスタッフの方と仕事の打ち合わせに来ていてビックリしたことを思い出しました。

似合いますね〜。クラスカに、hitomiさん。
鄭 秀和氏のお兄様は、ミュージシャンの鄭 東和氏だし、そういうことは関係ある・・・のかな???
Posted by Rin at 2005年11月24日 22:44
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