
JR西日本による社内ベンチャー制度を活用しての、元運転士の方のアイデアを事業化したものだそうだ。20代の男性の方だそうだが、奥様から、駅のトイレで化粧直しをする女性達に洗面台を占領されて手を洗えなかったという経験談を聞いたことが、アイデアのきっかけらしい。
国内初の試みとして、昨年12月23日にオープンしている。
一回1時間までで300円という利用料を設定し、仕切られた簡易的なブースとなっている化粧台と椅子、フィッティングルームとトイレが完備され、協賛会社が提供するドライヤーの貸し出し利用や化粧品のお試しなどが自由にできるようになっている。ストッキングも販売されており、フィッティングルームでの履きかえが可能、また、ハーブティの無料提供もされている。
落ち着いたデザインに、若いおしゃれにこだわりそうな女性に受け入れられそうなアクセントを効かせた照明やインテリアの配色など、うまく組み合わされている。
どんなものかと昨日の土曜日に利用してみたのだが、おもしろいことに、友達同士で訪れて隣合わせの化粧台に座り、提供されている資生堂の化粧品をあれこれと試しあっている女性達が何組もいた。この利用のされ方は、案外、うれしい想定外かもしれない。この事業のねらい目は、日常的に会社帰りの待ち合わせ前などの化粧直しに、利用が見込めると考えてのものだったろうと思う。一人でも安心して寛げる場所という設定もあったようである。ところが利用する側の女性達は、すっかりコミュニティ的にも利用し始めているという様子だ。こういった利用に、落ち着いた店内デザインも功を奏しているのかもしれない。
いやはや、時代はサービスを売る時代へと移り変わっていることを、こんなところでもしみじみと感じる。モノづくりにおいても販売においても、サービスについてをどう捉え考えるかは、売れる売れないに大きく関わってくるように思う。
JRにおける駅ナカ事業は、エキュートなどを展開する東日本が一歩リードしている感があるが、西日本としても力を入れはじめているようだ。また、尼崎の事故背景での内部状況のイメージダウンを、こういったベンチャー制度も取り入れるなどして、変えていきたい姿勢でもあるのかもしれない。
このアイデアは、けっこういろんなビジネスに置き換えても考えてみることができるだろう。

【所在地】JR大阪駅構内フロートコート2F
【営業時間】AM11:00〜PM10:00
【開店】2006年12月23日
【経営者】西日本旅客鉄道