2006年03月11日

学生街の立呑み屋 うづら

今週水曜日(8日)のこと、少々空いた時間を使って、気分転換に訪問した立ち呑み屋さんのご紹介。
今月号の商店建築に掲載されていたお店なのだが、昨今言われている立ち呑み屋さんブームの中でも、大学生が集う場所でというところに少々興味をひかれたのだった。

うづら.jpg【住所】大阪府吹田市千里山東1-5-11
【TEL】06-6330-1001
【営業時間】
PM6:00〜AM3:00
(定休日:日曜日)

【開業】2005.06.01
 <内外装 全面改装>
【経営者】(有)無名屋
【設計】アライ企画
【施工】ミノル巧芸
[商店建築 2006.03掲載]

大阪・阪急沿線“関大前”のすぐ近くに、このお店はある。関西大学の学生さんや先生、職員の方々の通り道だ。
関大前駅周辺を訪れたのはかなり久しぶりのことで、もうずいぶん昔に、インテリアコーディネーターの資格試験会場が関西大学だったので、その時に訪れて以来になる。試験で頭がいっぱいではっきり覚えていないだけなのかもしれないが、その様子はそれほど大きく変化したという印象はなく、学生“街”といっても大阪市内からは外れた住宅街沿線の、今もまだまだのどかさもある場所であった。

うづらでの皆さん.jpgそんな中での、ちょっと小洒落たこの立ち呑み屋さんは、二十歳を過ぎた学生さんのニーズにとてもマッチしている。小さいながらちょっとおしゃれにデザインされた空間、全品一品300円、店員さんもアルバイトの関西大学の学生さん達が主なそうだ。
おじさま方の寄り道御用達の赤提灯や大阪の串カツが、昔ながらの立ち呑みであったと思うが、最近は、東京のおしゃれなOLさんでも通うような立ち呑み屋さんが登場していると聞く。ブームに乗って広がりを見せているが、おしゃれさからお値段も高め設定で座るところと同じお酒や食材で勝負していると、ブームが過ぎたあとは難しいかもしれない。

そんな世間のブームに乗っているようでちょっと違うのが、このお店のような気がする。
店員さんとも集るお客さんとも、かなり年齢差のあるわたしでも、気軽に楽しく過ごさせていただけた。皆さん、とてもしっかりした、聡明な学生さん達だった。
ニーズにあった価格帯の商品を提供しながら、その空間のちょっとしたデザインは、集る人を自然に選ぶかもしれない。デザインは、そんな使われ方もある。
さりげなく店中を見せながら、内側で広がる交流の温かさも感じさせる木格子のファサード。
カウンターは上部も側面も全面タイルになっており、清潔感も保ちやすい。クリーム色の小さなつるんとしたタイルが、なんとなく“うづら”の卵を剥いたときの姿を思い出させた。
わたしの相手をしてくれた男性の店員さんは、初めて面接に訪れた時、お風呂みたいでおもしろいと思ったそうだ。お風呂というと…内容は全然違うが、佐藤オオキ氏デザインのカラオケBOXでもテーマになっていた。あれは確か、日常で歌いたくなる場所はお風呂だからというコンセプトだったが、お風呂や温泉でお酒という組み合わせイメージも、日本人は持っている。
若い人達が今、楽しみながら寛げる、自分達流の空間を求めているのかもしれない。
また、カウンターと対する壁面には、カウンターに使われているタイルと同じタイルで作られた大きさの違うボックスを、高さもランダムに配置し、それらが装飾にもなりテーブルにもなる、小さな空間をフルに活かせるデザインがなされていた。

学生の間に会社を作ろうと計画中という人、もうすぐ卒業だけど就職活動に悩んでいるという人、建築を目指していて徹夜で模型作りをしていたという人、同じ学生さんでもそれぞれの夢や人生模様もあり、また悩みもありのようだった。今、それぞれのご自身を大切にして、自分と向き合い、未来に向けて羽ばたいていってほしい、本当にそう思う。どんなことも、プラスに変えることができるのも自分。学校の勉強も、このお店で友達と語りあったことも、よい思い出としてだけではない経験として身になり、それを感じる時もきっとくるはず…。
そんな皆さんに心からのエールを送りたい。

そして卒業後も、またここで語り合う日がくる、そんなお店であり続けてほしい、そんな想い膨らむ春風を感じる夜だった。
posted by Rin at 12:50| Comment(2) | TrackBack(0) | 飲食>Bar関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月19日

B bar 美しいバカラとともに

ここしばらく東京の話題を続けていたが、久しぶりに大阪での話題。

バカラショップ.jpg 昨年2005年11月11日に改装オープンした大阪・梅田のヒルトンプラザイーストに、バカラショップと併設のバー「B bar」が登場しており、ずっと気になっていたのだが、たまたま時間の空いた一昨日、唐突に思い立って訪れてみた。

来店客が多くなりそうな時間帯より、かなり早い時間帯で訪れたおかげで、写真も撮らせていただけ、バーテンダーの方にもいろいろお話をお伺いすることもできた。

B bar Umeda
【住所】大阪市北区梅田1-8-16 ヒルトンプラザイースト2F
【TEL】06-6341-2375 
【営業時間】
平日・土曜:PM4:00〜AM4:00 日・祝:PM4:00〜AM0:00

バカラ公式サイト:http://www.baccarat.fr/

バカラの歴史は、1764年のフランス、アルザス・ロレーヌ地方から始まる。この地方の森林を所有していたモンセラシー・ラバル司教が、木材を燃料とするガラス工房を建てることによって、きこりの失業をくい止め、さらに当時まだフランスにはガラス工芸がなかったために輸入に頼っていた状況を変えることができるとルイ15世に嘆願。ロレーヌ地方のバカラ村に王立のガラス工房を設立し、バカラは誕生する。
そして長い歴史の中、1855年のパリ万博で金賞を受賞し、その技術力が世界中で高い評価を得ることとなる。

このような歴史をもったバカラの美しい魅力を、手にとって存分に堪能することができるのが、B barの魅力でもある。隣接のショップで見て購入したいと思ったグラスでの飲み心地を、このbarで試してみるということもできる。
B barの併設は東京の六本木・丸の内に続く3店舗目だそうで、barは3店の中でも最大のスペースとなっているようだ。

Bbar1.jpg写真は、ヒルトンプラザ内にある入り口側から撮ったBarの外観全体像だが、華やかなバカラショップの隣、barという都会の喧騒を忘れさせてくれる隠れ家にふさわしく、包み隠されたシックな謎とでもいうような建て構えである。初めて訪れると入り口がわかりづらいかもしれない。天井まで届く、重厚な木製の自動ドアとなっている。この重厚さと謎めいた最初の関門さえ潜り抜けてしまうと、美しいシャンデリアとやさしい物腰のバーテンダーの方々が迎えてくれる。わたしは、謎に引き寄せられた方かもしれない。
なお、出入り口はもう一箇所あり、ヒルトンプラザイースト建物正面外部からも、ヒルトンプラザの営業時間外でも直接barを訪れることができるようになっている。

Bbar2.jpg Bbar3.jpg

店内はすっきりと落ち着いた様子だが、随所に目を見張るものがある。
まず驚くのが、非常に長さのあるカウンターが一枚板であること。これはオバンコールというアフリカ産の木材で、ヒルトンプラザイーストの改装時に、最初にこのカウンターを運び込んでおいたそうだ。
またベンチシート席もあり、フランスのデザイナー、フィリップ・スタルク氏デザインの黒いシャンデリア「ブラックゼニス」がその中央に輝いていたり、バカラグラスが一面に並べられた壁面装飾など、それらを眺めながらバカラグラスでの美酒に酔うひとときは、特別な時間へと変わる。
バカラに興味をもつ女性の来店客は多いそうで、お酒の強くないわたしなどにも合う、口あたりのやさしいアルコールも強くないお酒も品ぞろえていて、とてもおいしくいただけた。お値段も当然ながら高価(一杯¥2,500前後)だが、それ相応の楽しみ方ができる場所でもある。

Bbar-グラス.jpg写真は、お店で一番高価だというバカラグラス「マレンヌ」。(¥180,000(税抜き)!するということだった。)このエッチング装飾は、見事。MOFという、フランスの最優秀職人に与えられる称号をもった職人の技の結晶ということだ。
バカラの輝きの美しさは、その原料に含まれる酸化鉛の割合の多さによるそうで、これにより重量感とダイヤのような輝きを生み出し、はじくと金属音のような高音で響くのである。

川-剛さん.jpg お店を訪れてみてさらに感心したことには、バーテンダーの方がバカラについてもお店についても、非常に詳しく語ってくださったこともあった。
さすがに、伝統と格式ある本物を扱う直営店である。
わたしの相手をしてくださったのは、川 剛さん。活き活きと誇りをもって語られるバーテンダーの方の存在もまた、このお店の魅力であるだろう。


この日は突然に思い立っての訪問だったため、あまりおしゃれもしていなかったが、今度はぜひ、少し特別な気分を味わいたい時におしゃれをして、また訪れたいbarである。
posted by Rin at 00:24| Comment(7) | TrackBack(1) | 飲食>Bar関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月18日

Y&Mバー キスリング

東京を訪れたその夜、以前から行ってみたいと思っていたBarを訪ねてみた。
わたしは、お酒について知識としての興味もあれば、お酒を楽しむ場所も好きなのだが、体質的にはアルコールは全く強くない。なので普段は、お酒の強い人や詳しい人に連れられてしか、Barへは行ったことがなかった。だが今回は、ひとりあちこち観て廻るからには、これもチャレンジのチャンスかと、夜の銀座を地図片手(苦笑)に、目的のBarへと辿りついたのだった。

このブログでBarを記事にさせていただくのは今回が初めてなのだが、その初めてにもふさわしいBarであると思う。
ネオン輝く銀座7丁目、ルイ・ヴィトンの銀座並木通り店のすぐ近くに、そのBarはあった。

Y&Mバー キスリング
【住所】東京都中央区銀座7-5-4 ポルオスビル7階
【TEL】03-3573-2071
【営業時間】
PM6:00〜AM3:00(土曜日はPM11:00まで) 
定休日 日曜日

【開店】2004.05.20 <内装のみ 新築>
【経営者】(有)ワイエムエス
【設計】ミュープランニング&オペレーターズ
【協力】特注照明:ボロモダンファクトリー
【施工】原テクニカ
[商店建築 2004.10掲載]

「Y&Mバー キスリング」は、東京・銀座の大ベテラン名バーテンダーのお二人、吉田 貢氏と毛利隆雄氏がチームを組んで開かれたBarだ。お二人は、一流バーテンダーへの登竜門ともいえる東京・日比谷の「東京會舘」から修行をはじめ、それぞれの道で技を究められ、吉田氏は「よ志だ」バー、毛利氏は「毛利バー」で、オーナーバーテンダーとしてその名を不動のものにされてこられてきた方々である。「よ志だ」バーは、平成14年に惜しまれながらもビル建て替えに伴い閉店されたが、それから2年の後、毛利氏がオーナーから持ちかけられた新しいお店の計画に吉田氏を誘い、この「Y&Mバー キスリング」が誕生した。
お店の名は、お二人の名前の頭文字と、オーナーがお気に入りのエコール・ド・パリの代表的な画家、モイーズ・キスリングの名前からとったものとのこと。
この画家キスリングの一枚の少女の絵が、お店の中心に象徴的に飾られている。

吉田貢氏.jpg
カウンターには、吉田氏が月・水・金、毛利氏が火・木・土が立たれておられ、わたしが訪れたのは金曜日だったので、吉田氏にお会いすることができた。その時に店長の岩本氏のご了承を得て撮らせていただいたワン・ショット。まだまだお元気な老紳士の、熟練されたプロとしての丁寧なお仕事ぶりが、この写真を眺めると思い出される。

お店に入るまでは女性一人では心もとない気持ちもあったのだが、入ってしまえば、大変落ち着いた店内の様子と、吉田氏、そして店長と若いスタッフの方の暖かい雰囲気で、すぐ心地よくリラックスすることができた。関西から今日来たことを告げると喜んでくださり、吉田氏からお名刺もいただいた。
軽めのおまかせカクテルとパスタをいただき、どちらかというとお食事をいただいた形となってしまったが、大変おいしく楽しいひと時を過ごさせていただいた。(お値段も銀座であるが、大阪・新地でのいわゆる新地価格よりお安いくらいではないか・・・と感じたのだが。)

お店の内装は、吉田氏と毛利氏も新木場まで足を運んで見つけたというアメリカンチークの一枚ものでつくられたカウンターをはじめ、落ち着きと重厚感のあるダークな色あいの木目調で統一され、キスリングの名画とともに気品を醸し出していた。

ひとり旅の夜、それほど長い時間を過ごしたわけではなかったのだが、すっかり心が和み癒されてホテルの部屋へと帰り、ぐっすり眠ることができたのだった。
ここもまた新たな、わたしの東京での、ちょっとした隠れ家(ここに書いたら隠れ家ではなくなるかな・・・)になるかもしれない。
posted by Rin at 01:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 飲食>Bar関係 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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