日曜日の夜に放送されていたNHKスペシャル、「東京カワイイ★ウォーズ」。
東京のファッション界の昨今の異変、リアルクローズのファッションフェスタ「東京ガールズコレクション」の盛り上がりと、対するモードの世界。モデルのエビちゃんこと蛯原友里さんの大ブレーク。ファッションフェスタ×ファッションの携帯サイトでの販売。
東京発信のマルイが大阪に進出し、それを見に行った後で見る番組としては、わたしにはとてもタイムリーな内容でおもしろい番組でした。
かわいい綺麗なモデルさん達が、ごく普通の女の子達にとって遠い存在ではなく、“わたしと同じようにしてみてね☆ねぇ〜かわいいでしょ〜”と、おいでおいでと手招きする世界観が、買いやすい価格的手ごろさも手助けして若い女の子の心を虜にしてしまうのも、わかる気がします。
まぁ、うまいですねぇ〜という戦略ですね。
おしゃれ好きで買い物好きな若い女性の、すごく自然な心理を突いた戦略だと思います。
そう、ビジネス戦略なわけです。
しかし、この番組を見ながら感じたことで、わたしがなんとも言えず少々しみじみしてしまったことに、ファッション界もまだまだ男社会なんだなぁということがありました。NHKの番組編集の仕方のせいなのかもしれませんが・・・。どうなのだろう、と感じました。
コシノヒロコさんも出演されていましたが、エビちゃんを招いて戦略を練るフクスケのご様子も、モードの世界「東京コレクション」の運営に関した会議シーンでも、おじ様男性が頭を悩ませておられる。その印象がやたら強く感じられましたし、悩まれているご年配の男性の方々のファッションセンスも、少々・・・気になってしまいました。
男社会の点では、「東京ガールズコレクション」の主催も、お若い方ですが男性です。渋谷で販売員されながらデザインもやってる女の子(彼女達のパワーはすごいと思いましたが)も登場していましたが、経営者はあくまで男性。
そして、ご年配の方も若い方も、買ってほしいターゲットの女性達の“かわいい”の一言に右往左往しておられる。
ビジネスの舞台裏なわけですが、男社会にありながら年配の男性のご様子などには、なんとなく悲哀を感じなくもなく、少々痛ましく感じないこともなかったのでした。
もうちょっとビジネスでの表舞台に女性を立たせることを考えていけば、わざわざ“かわいい”に慌てなくても振り回されなくても、売れる、話題を呼べる仕掛けを創り出すことに、そう苦労しなくても済むような気がしたり・・・。エビちゃんに意見をお伺いしてたフクスケにしても、社内の女性達の意見に日頃から耳を傾けてらしたのかなぁ・・・という気もしなくもなく。う〜ん、ほんと、どうなのでしょうね・・・。エビちゃんのネームバリューが欲しかっただけに終わってしまうと、後が続かない気はします。
リアルクローズがなぜ売れているのかといえば、それを纏う大人気のモデルさんにしても、普通の女の子達が感じるようなことをうまく表現しているところにもあるのですから。
そして、コシノヒロコさんの言葉、「真似だけでは、永く続くものは創りあげられない」。これも、その通りだと感じました。
現在のリアルクローズの世界は、モードから変換さえて一般向けにし、価格を抑え、綺麗だけど身近に感じられるモデルさん達の活躍により親近感も植え付け、けれどデザインで言えばモードから“真似”てる世界でもあると感じます。渋谷で大活躍の女の子達もプロではなく、プロはいらないと経営者男性は言い切っておられました。その年代にある女性達がその年代の心理で流行を追えば、売れるものに確かにたどり着ける。けれど、彼女達もいずれ気がつくはずです。単なる流行だけで自分達が終らないためには必要となってくるであろう技術や知識についてを。プロのデザイナーはいらないという渋谷の店だけで、2週間で賞味期限が切れるという流行に追い回される繰り返しだけに終わらず、経営者も息切れせず永遠に続けていくことができるのか。わたしには、かなり謎な気がしました。その方が大変だろうなぁ(精神的にも、体力的にも)・・・と。そのことに先に気がつくのも、界隈と密着しながらマーケティングしてる、成長していく女の子達だったりして。
企業で団塊世代が去る時代、しばらくは混沌とした時代になりそうな気配もありますが、それと同時に、女性の購買力によって成せる世界では、その舞台を支える力には、もっと女性が華を添えていていいんじゃないかなぁと思ったりです。その方が、世界を制す“かわいい”を操れますよ。“かわいい”のお次は何がくるかも見えてきますよ、きっと。どうぞ、と、やさしく道を開けてみませんか?紳士諸侯。(それに踏ん張ってばかりいて疲れちゃうより、その方が素敵になれますよ、きっと。)なーんて。
わたしもおしゃれ大好きな人間ですが、1ヶ月のお小遣いや生活費をすべてつぎ込んじゃうような買い方には、要注意ですよ、女の子達。だって、おじ様方の懐ばかり潤す、おいしいカモになっちゃうこともないのじゃない・・・。なーんて。
(少々、黒くて先が三角に尖ったシッポが生えて、背中にコウモリみたいな黒い羽が生えて・・・きそうな意地悪虫な気分でもありますが、いえいえ、まともな考えでもあると思います。(苦笑)年頃のお嬢様をお持ちのおじ様方なら、これも間違っているとは、おっしゃらないかな・・・と。)
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追記:(2006.09.27 12:00)
ちらっと、男性のファッションに絡んだことも書いたりしましたが、わたしは、一般的に言われる“人は見た目”の重視派ではないのかもしれません。人それぞれ、見た目の感じ方も違うと思いますので、これも表現しにくいところですが、“見た目”は確かに大切な要素ではあると思いますが、中身から見える“見た目”がより大切だと思っていたりです。
女性がそういったことを書きますと、“どうせ自分がたいしたことないし、自信がないからだ”とか言われかねないので、今まであまり書いたことがないことですが、・・・まぁ、ことネット上などだと、ご自分の見た目に自信をもった発言をしている方にリアルにお会いして、本当におっしゃる通りに見た目も素敵な方だと思ったことは、ほとんどなかったりします。
それを口にしてしまう時点で、本質的に品性というものをあまりわかっておられないのかも・・・、という見方もできるということ。自信を持つことと、口にしてしまうことは違うということは、かなり感じることが多いです。
そういう点でのネットとリアルの矛盾は、よくあることかもしれませんね。他人の服装について、きちんとすることを奨励することを熱く語っている人が、多くの人の前で“あんなこと言ってた方が?うっそォー”とのけぞってしまったこともあったり。
こういうことにしても、言わぬが(書かぬが?)花なのかもしれません。
日曜日のTV番組で気になったのは、ファッション業界の方なのだからと、放送されるのだからという部分がありました。ラフさでお気が回っていないみたいな、パリッと感は、けっこう大事ですよ・・・みたいなことが気になってしまった・・・みたいなです。
取るに足らないことでもある、かもしれません。
男女問わず、やっぱり中身が大切だと思いますよね。
そして、雰囲気に表れる適度な心身の健康的健全さと清潔感があれば、言うことなし。
それとデザインも、相通じる部分があるような・・・。