
(日本橋三井タワー 1〜3F、30〜38F 179室・三井本館4F )
【TEL】03-3270-8800 (代表)
【開業】2005.12.02 <新築>
【経営者】マンダリン オリエンタル ホテル グループ(MOHG)
【設計】
建築設計:日本設計<設計監理>
シーザぺリ アンド アソシエーツ ジャパン<デザインアーキテクト>
ホテル設計:リム・テオ・ウィルクス・デザインワークス,
小坂竜(乃村工藝社)
ホテル実施設計・コーディネーション:イリア
【施工】
建築施工:鹿島・清水・三井住友・錢高・東レ・佐藤 JV
【関連HP】http://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/
この12月に東京訪問とあっては、まず行って観ておきたいところとして、12月2日にグランドオープンしたマンダリン オリエンタル 東京があった。
宿泊こそしていないが(ホテルを記事にするからには、本来なら宿泊して語るべきかもしれないが)、訪れた10日午前はオープン間もないこともあってか、37・38Fの営業準備中のダイニングなども観ることができ、わたし以外でもとりあえず見学に来たと思しき方々が写真も撮っておられた。わたしも便乗、撮らせていただいたものは掲載させていただく。
東京でのホテル事情を以前に記事で取り上げさせていただいているが、世界14ヵ国にラグジュアリーホテルを運営するマンダリン オリエンタル ホテル グループ(MOHG)の東京・日本橋進出は、“日本橋”という地域の復興をかけた事業でもある。重要文化財・三井本館(1929年竣工)の一部とそこに隣接して建設された超高層複合ビル・日本橋三井タワーに、三井不動産との長期契約での入居ということで、この時期この場所での世界的ラグジュアリーホテルグループとの契約は、日本橋を発祥の地とする三井グループの大いなる意気込みが感じられるものでもある。
日本橋三井タワーそのものが、三井本館を保存し、その重厚さと調和しながら最先端のオフィスビルでもあり、東レ・中外製薬・QUICKなどの本社が移転入居してくるという、大手企業の誘致効果も生み出している。
マンダリン オリエンタル 東京のデザインコンセプトが考えられるにあたっては、日本橋という立地での、三越の存在も着目されたひとつだったようだ。三越が日本橋で呉服店として歴史をスタートさせており、それゆえ日本橋は着物とも縁が深いというところから、独自のカスタムファブリックが制作され、それらによってもあらゆる場面でオリエンタルなムードがより美しく表現されている。
株式会社 布(NUNO)のテキスタイルデザイナー・須藤玲子氏により“森と水”というコンセプトが打ちたてられ、日本の伝統的な技法に、自然の美しさや新しい時代を感じさせる斬新なデザイン性を織り込んでの、日本国内での布作りが行われたそうだ。
外資系のホテル進出という場にあって、日本の繊維産業がその力を発揮しているということは、喜ばしいことでもあり、また日本でのこの事業に失敗は許されないホテル側の、日本人の好む感覚を取り入れることの戦略でもあるようにも感じる。
訪れた折、ホテルマンの方々の様子は、非常に暖かな表情を感じる場面が多かった。たとえ宿泊客ではない少々見て廻っているだけの様子の者にも、その接客に美しさを感じさせるような空気感があったことは、世界的なラグジュアリーホテルとして君臨するホテルの当然のサービスマナーなのだろうが、やはりさすがであると思う。
〈マンダリン オリエンタル 東京〉






〈日本橋三井タワー〉




当ブログでの東京ホテル事情に関した過去記事:
東京・ホテル業界2007年問題(2005年09月23日付)
東京にて、ホテル事情に思う(2005年11月20日付)