2005年12月23日

マンダリン オリエンタル 東京(日本橋三井タワー)

マンダリン東京1.jpg【住所】東京都中央区日本橋室町2-1-1
(日本橋三井タワー 1〜3F、30〜38F 179室・三井本館4F )
【TEL】03-3270-8800 (代表)

【開業】2005.12.02 <新築>
【経営者】マンダリン オリエンタル ホテル グループ(MOHG)
【設計】
建築設計:日本設計<設計監理>
シーザぺリ アンド アソシエーツ ジャパン<デザインアーキテクト>
ホテル設計:リム・テオ・ウィルクス・デザインワークス,
小坂竜(乃村工藝社)
ホテル実施設計・コーディネーション:イリア
【施工】
建築施工:鹿島・清水・三井住友・錢高・東レ・佐藤 JV

【関連HP】http://www.mandarinoriental.co.jp/tokyo/


この12月に東京訪問とあっては、まず行って観ておきたいところとして、12月2日にグランドオープンしたマンダリン オリエンタル 東京があった。
宿泊こそしていないが(ホテルを記事にするからには、本来なら宿泊して語るべきかもしれないが)、訪れた10日午前はオープン間もないこともあってか、37・38Fの営業準備中のダイニングなども観ることができ、わたし以外でもとりあえず見学に来たと思しき方々が写真も撮っておられた。わたしも便乗、撮らせていただいたものは掲載させていただく。

東京でのホテル事情を以前に記事で取り上げさせていただいているが、世界14ヵ国にラグジュアリーホテルを運営するマンダリン オリエンタル ホテル グループ(MOHG)の東京・日本橋進出は、“日本橋”という地域の復興をかけた事業でもある。重要文化財・三井本館(1929年竣工)の一部とそこに隣接して建設された超高層複合ビル・日本橋三井タワーに、三井不動産との長期契約での入居ということで、この時期この場所での世界的ラグジュアリーホテルグループとの契約は、日本橋を発祥の地とする三井グループの大いなる意気込みが感じられるものでもある。
日本橋三井タワーそのものが、三井本館を保存し、その重厚さと調和しながら最先端のオフィスビルでもあり、東レ・中外製薬・QUICKなどの本社が移転入居してくるという、大手企業の誘致効果も生み出している。

マンダリン オリエンタル 東京のデザインコンセプトが考えられるにあたっては、日本橋という立地での、三越の存在も着目されたひとつだったようだ。三越が日本橋で呉服店として歴史をスタートさせており、それゆえ日本橋は着物とも縁が深いというところから、独自のカスタムファブリックが制作され、それらによってもあらゆる場面でオリエンタルなムードがより美しく表現されている。
株式会社 布(NUNO)のテキスタイルデザイナー・須藤玲子氏により“森と水”というコンセプトが打ちたてられ、日本の伝統的な技法に、自然の美しさや新しい時代を感じさせる斬新なデザイン性を織り込んでの、日本国内での布作りが行われたそうだ。
外資系のホテル進出という場にあって、日本の繊維産業がその力を発揮しているということは、喜ばしいことでもあり、また日本でのこの事業に失敗は許されないホテル側の、日本人の好む感覚を取り入れることの戦略でもあるようにも感じる。

訪れた折、ホテルマンの方々の様子は、非常に暖かな表情を感じる場面が多かった。たとえ宿泊客ではない少々見て廻っているだけの様子の者にも、その接客に美しさを感じさせるような空気感があったことは、世界的なラグジュアリーホテルとして君臨するホテルの当然のサービスマナーなのだろうが、やはりさすがであると思う。


〈マンダリン オリエンタル 東京〉
マンダリン東京1.jpg マンダリン東京3.jpg マンダリン東京4.jpg マンダリン東京5.jpg マンダリン東京6.jpg マンダリン東京7.jpg

〈日本橋三井タワー〉
日本橋三井タワー1.jpg 日本橋三井タワー2.jpg 日本橋三井タワー3.jpg 日本橋三井タワー4.jpg

当ブログでの東京ホテル事情に関した過去記事:
東京・ホテル業界2007年問題(2005年09月23日付)
東京にて、ホテル事情に思う(2005年11月20日付)
posted by Rin at 23:54| Comment(2) | TrackBack(5) | ホテル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

東京にて、ホテル事情に思う

東京での今回の宿泊先は、宿泊翌日の行動に便利な立地条件の中、極力お安い宿泊費で、それでいて女性が泊まりやすい清潔さなど備えていることを、ネットの旅行情報を載せたような掲示板の口コミ情報なども考慮して選んだ。
出発前に決めていた宿泊先、急遽帰りを1日延ばして当日朝に決めた宿泊先ともに、なかなか快適に過ごすことのできるものだった。


東京を訪れる前、amadana・CDTなどを手掛けられた、もう当ブログでは何度となく取り上げさせていただいた鄭 秀和氏が設計されたホテル、「クラスカ」への宿泊も考えたのだが、東京デザイナーズウィークでの青山のメイン会場をおそらくは1日では廻りきれないと見越していたため、宿泊先も青山にすることにした。
だがとりあえず観るだけは観ておきたい気持ちも強く、「クラスカ」へは東京へ到着したその足で訪れてはみた。

クラスカ1.jpg「クラスカ」は、目黒通りに建つ昭和40年代開業の「ホテルニューメグロ」をリノベーションさせたもの。
このホテルをホテルとして再建させることは、専門家の間で困難であると言われていたそうだ。老朽化の具合や駅からは多少歩く立地条件など、投資に対するリスクに悩まされたのではないだろうか。
そして、ここでおもしろいと思うのは、発想の転換というもの。
その名前「クラスカ」は、どう‘暮らすか’という発想からきており、長期滞在型のウィークリーマンション的な部屋も設けることで、月極家賃としての収入も確保できる方法をとっている。日本国内に向けたアピールより、世界の中の日本の東京という広い視点から考えられている。またそれにあわせ、日本的な素材や技術を活かして、カタチで見せ過ぎるのではない雰囲気で日本を味あわせる空間を目指されて、このホテルは成り立っているそうだ。
クラスカ2.jpgなるほど訪れた時、1階のラウンジには、外国人の方が2組ほどいらした。
車の多い目黒通りの喧騒が嘘のように、一歩中へ入ると静かで落ち着きある空間が広がっていた。この雰囲気の言葉での表現は難しいが、すっきりとしたシャープな感じでもあるようで、素材感の暖かみや落ち着きもある、そういえばamadanaのデザインと重なる部分もあるかもしれない。
「クラスカ」へは、また改めて、宿泊しに訪れたいと思う。


以前、東京のホテル業界での2007年問題を記事にさせていただいたが、今回の東京宿泊で、その問題がそれぞれのホテルの生き残りをかけ直面している問題であることを、かなり肌で感じた。
それぞれが価格面、サービス面など、なんらかの方法で他と特化したものを確立させて、固定的な利用客を得るための努力をしていた。例えば、飛び込みで宿泊した先は、羽田空港へ朝早くに到着しやすいことを目的に選んだのだが、早朝に空港まで小型バスで送ってくれるというシステムをとっており、朝ホテルを出発の時には、小さいものだがおいしいパンひとつとジュースを紙袋で持たせてもくれた。宿泊費がかなり抑えられたものであっただけに、驚くサービスだったが、ここで取り上げたいのは安かったから良いというのではなく、ホテルマンの姿勢やサービスそのものの価値が非常に高かったことを、あえて強調したい。

東京で抱えられたホテル問題の中、大型高級ホテルへの対抗策として、多くのホテルの生き残りへの活動が低宿泊費へ傾くことは避けがたいことなのかもしれない。だがそれ以上に、ホテルとしてのサービスをどう行っていくか、それが重視されることこそ、ホテル業界そのものの質の向上や、そこで働くホテルマンの心がけ、ひいては働き甲斐にも繋がるのではないだろうか。

「クラスカ」のように、計画当初からホテルとしてのあり方を、少々他とは違った角度から確立させたもの、これもまたひとつの手法である。

出発の時、朝食の入った紙袋を手渡すとともに、丁寧なあいさつで送りだしてくださったホテルマンのその様子が、わたしにまた宿泊したいと思わせたこと、そんな日々の積み重ねこそが、ホテルの存在価値に繋がるということも、ここで改めて書いておきたかったことである。
posted by Rin at 09:54| Comment(2) | TrackBack(4) | ホテル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月25日

フランク・ロイド・ライト・スイート 帝国ホテル東京

さて、東京・ホテル業界2007年問題として、都内で外資系ホテルが次々とオープンし、客室供給過剰が懸念されてる問題を一昨日記事に取り上げた。

これに対し当然ながら、国内の既存のホテルも、ただ黙っているわけではない。帝国ホテル、ホテルオークラ、ホテルニューオータニ、京王プラザホテル、小田急センチュリーハイアットなど、大がかりなリノベーション(改装)を計画・実施して、迎え撃とうとしている。

その中でも注目を集めているのが、今年で開業115周年となる帝国ホテル 東京の「フランク・ロイド・ライト・スイート」の新設(2005年4月15日営業開始)である。米国フランク・ロイド・ライト財団に設計を依頼、帝国ホテル旧本館(通称ライト館)のデザインがみごとに再現されているという。
帝国ホテルは、2003年12月から5年の歳月と170億円という費用をかけて、本館の大規模なリノベーションを進めている。その目玉となっているのが、客室特別階の14階「インペリアルフロア」の、この「フランク・ロイド・ライト・スイート」となる。客室面積214u・1泊40万円!(税抜き)である。

帝国ホテル旧本館(通称ライト館)は、帝国ホテル(明治23年開業)の新本館として1923年(大正12年)に完成。その設計をしたのが、20世紀を代表するアメリカの偉大な建築家フランク・ロイド・ライトであり、その後1967年(昭和42年)に老朽化のため解体されるまでの44年間、世界中から訪れる人々に“世界一美しいホテル”と賞賛された。<その姿の一部分(中央玄関部分)は、現在、愛知県・明治村で見ることができる。>
今もって“伝説”の「ライト館」の人気は衰えておらず、2007年問題に立ち向かい外資系高級ブランドホテルに太刀打ちするべく、今回の「フランク・ロイド・ライト・スイート」への計画が実施されるに至ったと言える。

客室玄関ホールの壁には「ライト館」のデザインを再現した大谷石のレリーフが飾られ、その窓を模したステンドグラスもはめ込まれているとのこと。背もたれの高いダイニングチェアや特徴的なシャンデリア、ライトオリジナルの絨毯にダイニングセットなども、随所にライトのデザインが配されているという。そして、ただライトのデザインを寄せ集めたのではなく、一流のスイートルームとして居心地よい空間に仕上げられ、その話題性や内容ともに、歴史ある帝国ホテルのアイデンティティーを据え直すものともなっているようである。

ずいぶん以前になるのだが、兵庫県・芦屋にあるヨドコウ迎賓館を訪れライトの建築に触れた時、非常に感動したこと、その感覚を今も鮮明に思い出すことができる、そんなライト好きのわたくしとしては、1泊40万円!ではあるが、なんとか見学でもできる機会はないものか・・・と、思っていたりする(苦笑)。

ライトスイート.jpg

帝国ホテル 東京
【住所】東京都千代田区内幸町 1-1-1
【電話】03-3504-1251(客室予約課)
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2005年09月23日

東京・ホテル業界2007年問題

“2007年”は、早くから何かと“問題”で話題の多い年だ。
一般的に社会問題として一番大きく取り上げられているのは、いわゆる団塊世代定年による製造業などの各企業内での技術・ノウハウの継承問題がある。(これについても、また何かの折に、このブログでも話題にするかもしれない。)
そして商業施設関係では、大阪での、記事(9月8日付)にもした市内百貨店売り場面積の増加による過当競争の懸念問題があり、また東京では、ホテル業界の都内ホテル客室の供給過剰が2007年に向けて懸念されている。

□ここ数年と今後の 東京・ホテル OPEN状況□

○2002年
4月 品川プリンスホテル・エグゼクティブタワー(品川)
7月 セレスティンホテル(芝公園)
10月 フォーシーズンズ丸の内東京(丸の内)
○2003年
3月 ホテルメトロポリタンエドモンド・イーストタワー(飯田橋)
4月 グランドハイアット東京(六本木)
5月 ストリングスホテル東京(品川)
7月 ロイヤルパーク汐留タワー(汐留)
9月 パークホテル東京(汐留) 
○2004年
8月 ヴィラフォンテーヌ汐留(汐留)
○2005年
5月 東京プリンスホテルパークタワー(芝公園)
7月 ホテル コンラッド東京(汐留)
12月 マンダリン・オリエンタル東京(日本橋)
○2007年   
春  ザ・リッツ・カールトン東京(六本木)
夏  ザ・ペニンシュラ東京(日比谷)

以上のように、東京都心部では外資系を中心にホテルの建設ラッシュが続いており、これからのオープン予定も話題性・内容とも大きなものだ。
最終的にこの東京におけるホテル業界2007年問題で、新たに生み出される客室は7000室を上るだろうとも言われている。
またこれに加え、日本の大手電機メーカーや自動車メーカーも、ホテル業界に進出するのではないかというような噂もあるようだ。

こうした背景には、東京都心部の地価下落に加え、六本木・品川・汐留・日本橋と続く都市再開発ブームがあり、その再開発した地域を盛り上げるためにも、話題性の高いスポットの建設が欠かせないといったことが挙げられる。宿泊だけでなく飲食・レジャーなど多様な機能を持つ巨大ホテルの集客力、また公共性も高い施設であるホテルや劇場を高層ビルに組み込めば、容積率がアップするという事情もあって、デベロッパーはその誘致に走るのだ。

そして、このオープンのホテル名を並べて見てもわかるように、フォーシーズンズ、グランドハイアット、コンラッド、マンダリン・オリエンタル、リッツ・カールトン、ペニンシュラ、いずれも世界屈指の高級ブランドホテルだ。
今年オープンでは、英ヒルトン・インターナショナル社が運営する「コンラッド」は、ヒルトングループのホテルの中で最高級ブランドに位置するし、12月に日本第1号としてオープン予定の「マンダリン・オリエンタル東京」のマンダリン・オリエンタル・ホテル・グループは、“アジアの名門”と称される世界的なラグジュアリーホテルチェーンである。
つまり、東京ではこういった世界級の高級ホテルが、これまでなかったし不足していたとも言える。

しかし宿泊料金3万円からという高級ホテルに、それだけの料金を払って宿泊する人がどれだけいるか、常に客室数を埋めるだけの利用があるのかは、やはり“問題”としておおいに懸念されるところだろう。

個人的には、高級ホテルに宿泊はしなくとも、その雰囲気を味わうべく、食事やお茶を楽しむのは大好きである。なのでこれらの新たなスポットには、ぜひ足を運んでみたいし、デザインにも興味が尽きない。
さてどうなっていくのか・・・、目の離せないところである。
posted by Rin at 23:55| Comment(0) | TrackBack(2) | ホテル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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